5歳でもグループ評価アップのために「いいこと」をする!

2018/02/23 6:43 に Megumi Tabuchi が投稿

Engelmann, J. M., Herrmann, E. & Tomasello, M. 2018 Concern for Group Reputation Increases Prosociality in Young Children. Psychological Science, 29(2) 181–190.

周囲からいい評価を得ようとすることが,向社会的行動のモチベーションになる。それは結構早い発達段階,例えば5歳児ぐらいを対象とした研究でも明らかになっている。では,個人ではなく集団ではどうだろう?たとえ個人の貢献度が相手に分からなくても,集団としていい評価を得るために,向社会的行動は増加するのだろうか?本論文では2つの研究を用いて,5歳児のグループ評価と個人の向社会的行動の関係を調べた。

対象者:96名の子ども(5歳児)が,Figure1のような4つの条件に割り当てられた(Figure1a:個人がどのぐらい貢献したかも,グループとしてどのぐらい貢献したかも相手から見える。Figure1b:グループでの貢献は見えるけど,個人がどのぐらい貢献したかは見えない。Figure1c:個人がどのぐらい貢献したかは分かるけど,グループとしてどのぐらい貢献したのかは分からない。Figu1d:誰にも個人の貢献も集団の貢献も分からない)。


手続き:まず,4人の対象者を部屋に入れ,実験者がくじ引きをして3名が黄色チーム,1人が赤チームになるようにする。そして「黄色チームからおもちゃで遊べるよ」と伝え,赤チームの子は部屋を出る。その後,黄色チームの対象者を条件ごとにブースのところに立たせて,一人玩具を10個ずつ渡し,「そのおもちゃ,遊んで持って帰ってもいいし,他の幼稚園の子が遊ぶためにあげてもいいんだよ。あげてもいいなら,ボックスの中に入れてね」と伝える。部屋には2.5メートルぐらい離れたところに椅子が2つあって,「今からあの椅子に2人ずつお友だちが入ってくるんだよ。みんなの行動を見てるよ」と伝える。そして,実際に2名に観察されながら,おもちゃを入れるよう指示する。

結果:個人とグループの貢献度どちらも見えない条件よりも、個人だけ見える条件,グループだけ見える条件,どっちも見える条件の方が,より多くおもちゃをボックスに入れている。研究2で「チーム作り」をせずに実施する条件を作ってみると,「どちらも見えない条件」と同じぐらい「いいこと」をしようとしない。つまり,個人の貢献度は人に見えなくても,「グループとして」いい評価を得ようとすることが,子どもたちの向社会的行動のモチベーションとなった


 

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