後悔を予期すると,アンビバレントな態度対象へのモヤモヤ度が増す

2017/12/07 2:03 に Saki Nakamura が投稿   [ 2017/12/07 2:05 に更新しました ]
Itzchakov, G., & Harreveld, F. Van. (2018). Feeling torn and fearing rue : Attitude ambivalence and anticipated regret as antecedents of biased information seeking. Journal of Experimental Social Psychology, 75, 19–26. https://doi.org/10.1016/j.jesp.2017.11.003

ある一つの対象に対して,基本的には一貫した信念・態度を持つというが,時には相いれない側面を同時に持つことがある(例:チョコレートケーキ)。これを態度の両価性という。これまでの研究で,不確実性(後悔の予期と正の相関がある)と両価性に関連があるといわれている。
本研究は,誤った決定をしてしまったのではないかという後悔の予期が,客観的な両価性(ある態度対象にポジティブな態度とネガティブな態度の両方が同時に存在すること)と主観的な両価性(ある対象に対して両価的態度を持っている時に生じる,葛藤の経験すること)の関連を増幅する(仮説1)と主張する。さらに,これによって生じた主観的な両価性の高まりは,一貫性バイアスを高めるような方向へ情報処理を促すと予測した(仮説2)。


研究1:参加者は地域貢献活動に年40時間従事するという大学の決定について書かれた文章を読み,その後で主観的な両価性(項目例「私はこの提案に対する自分自身の態度に葛藤を感じる」)を測定した。文章は客観的な両価性(低(一貫して反対)・高(良い面と悪い面の両方が存在する))と,後悔の予期(なし・あり(後悔していることを想定させる))が操作されていた。その結果,客観的な両価性が高い時に,後悔の予期がある方が主観的な両価性が高まることが示された(仮説1支持)。
研究2:研究1と同様の手続きに加え,一貫性バイアスを測定した。その結果,研究1と同じく,客観的な両価性が高い時に予期後悔がある方が主観的な両価性が高くなっていた(仮説1支持)。さらに,主観的な両価性の高まりは,一貫性バイアスを高めるような情報処理を促進させた(仮説2支持)
研究3:実際の自分の決定によって後悔が生じるような操作に変更。研究2の結果が再現された(仮説1・2支持)。

本研究は,知覚された両価性と後悔の役割を実証的に検討した最初の知見である。

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