Kuppens, T., Spears, R., Manstead, A. S., Spruyt, B., & Easterbrook, M. J. (2017 in press). Educationism and the irony of meritocracy: Negative attitudes of higher educated people towards the less educated. Journal of Experimental Social Psychology. これまでに社会心理学では、民族・ジェンダー・国家などさまざまな社会的集団の研究が行われてきました。意外なことに、教育は人々の生活や社会的態度を予測することが言われているにも関わらず、学歴をベースにした社会的集団についてはあまり研究がなされていません。そこで本研究では、なぜ、そしてどのようにして、学歴をベースにした集団バイアスが生じるのかについて検討しました。その結果、教育水準が高い人ほど、寛容で、道徳的な教養があるという一般的な見方と裏腹に、教育水準が高い人ほど、学歴ベースの集団間バイアスを見せることが示されました。 具体的には、以下のような実験をしました。
学歴ベースの集団バイアスに注目するという本研究の本筋からは離れますが、程度興味深いことに、民族ベースのバイアスに関しては、教育水準が高い人では見られず、低い人において見られました(研究3、4)。著者らはこれに対して、教育水準が高い人ほど偏見に対して寛容ではある(あるいは、教育水準が低い人ほど偏見が大きい)という古典的な考えは、部分的なものである可能性が高いと、述べていました。 |
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