「愛情・共感・競争」笑顔表出の3つの機能

2017/10/04 17:30 に Saki Nakamura が投稿
Rychlowska, M., Jack, R. E., Garrod, O. G., Schyns, P. G., Martin, J. D., & Niedenthal, P. M. (2017). Functional smiles: Tools for love, sympathy, and war. Psychological science, 28(9), 1259-1270.

笑顔はもっともよく表出される表情の1つであるが,そのすべてが「幸せ」であることを意味するわけではない。社会的機能による説明では,少なくとも①報酬行動,②社会的な絆の形成,③交渉の優位性の3つに笑顔の機能が分類できるという。本研究では,これら3つの笑顔が実際にどういう表情なのかを明らかにする。

研究1:参加者にEkmanのアクションユニットに基づいて表情を操作した顔画像を見せて,3つの機能に分類させた。
研究2:研究1をもとに特徴づけた表情が,人間が見た場合でも3つの機能に基づいて正しく識別されるかを検討。
研究1と2の結果は以下の通り。3つの機能に基づく表情パターンはFigure 2のaや以下の写真の通り。また,得られた3つの機能に基づく表情パターンは人間でもおおよそ正確に分類することができることが判明。

実際の人の顔だと以下のような感じ↓


研究3:研究1をもとに特徴づけた表情について,それぞれ「この人はどれくらい,なにか・誰かに対するポジティブな反応や感情を持っていますか?(報酬行動の文脈)」「この人はどれくらい誰かと社会的結びつきの感情を持っていますか?(社会的)」「この人はどのくらい,優位な,支配的な感情を抱いていますか?(交渉の有意の文脈)」の3つの項目に答えさせた。その結果,その表情に応じた文脈の項目の時に「あてはまる」と答える確率が高かった。

本研究の結果は,3つのタイプの笑顔が,物理的な特徴の違いによって区別でき,それは異なる社会的メッセージを伝達することを詳細に示し,表情表出の多様性を説明することを示唆する。
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