本物の男は「かわいい」と言わない ―言語の自動分析を用いた不正確なステレオタイプの研究―

2017/09/29 0:02 に Sayo Kaneuchi が投稿   [ 2017/10/01 15:54 に Asako Miura さんが更新しました ]
Carpenter, J., Preotiuc-Pietro, D., Flekova, L., Giorgi, S., Hagan, C., Kern, M. L., ... & Seligman, M. E. (2017). Real Men Don’t Say “Cute” Using Automatic Language Analysis to Isolate Inaccurate Aspects of Stereotypes Social Psychological and Personality Science, 8(3), 310-322.

目的
ステレオタイプ内容の不正確さについて、具体的な面でもニュアンスの面でも描き出すこと。どういう点でステレオタイプが間違っているのかだけでなく、どのように間違えるのかを明らかにする。

方法
ジェンダー、年齢、学歴、政治的志向の4つについて、 「ground truth」情報をオンラインで集め、評価者は(ツイートの)著者のジェンダーなどを推測した。

結果
・ジェンダー
ポジティブな情動(かわいい、すっごーいなど)を表現すると、男性は女性に勘違いされる。
・年齢
若い人は実際よりも自己言及的(自分の話をする)でカジュアルだと思われている。一方、年長者は仕事や政治の話をすると思われている。
・学歴
低学歴の人は実際よりも口汚くて口語的 (e.g.,"lol", "wanna", "gonna" など),だと思われている。一方、高学歴の人は実際よりも科学技術の話をすると思われている (e.g., "connect", "tech", "web")。
・政治
参加者は、それができるときには明示的に政治的キーワードを使うため、基本的に政治的志向を勘違いされることはない。ただし、以下のような傾向があった。
スポーツの話をするとリベラルの人が保守だと思われる。女性的な言葉はリベラルだと思われる。

考察
ステレオタイプは正しいことも多い。不正確なステレオタイプが生じる場合、それそのものが完全に誤りであるわけではなく、大げさに評価されることが原因にあると考えられる。
例外は政治で、政治に関連のないツイートは軒並み不正確さのもととなる。女性とリベラリズムは結びつけられやすい。ジェンダーと政治志向は結びつきやすく、男は保守、女はリベラルみたいなステレオタイプがある。

今回用いた研究手法は、相互に結びついた集団ベースの関連性を解きほぐし、ステレオタイプを形成する言語を決定する私たちのメソッドの不正確さがどのようなものなのかを明らかにした。
また、今回の研究で、実際の行動と知覚される行動傾向を集団間で量的に比較する手法におけるビッグデータの力を示すことができた。ソーシャルメディアという文脈を行動や行動の知覚を両方測定する方法として用いることは、今後も人間のステレオタイプ的信念やその正確性について、重要な事柄を明らかにするものであるだろう。
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