表情を認識の発達変化〜表情を理解するためにはどれくらいの情報量が必要なのか?〜

2017/07/31 3:34 に 西村友佳 が投稿

Ewing, L., Karmiloff-Smith, A., Farrah, E. K., & Smith, M. L. (2017). Developmental changes in the critical information used for facial expression processing. Cognition, 166, 56-66.




表情の認識能力は幼少期から青年期にかけて発達する。この研究では、子供(6〜9歳児と10〜13歳児)と大人で表情認識過程に質的な違いがあるのかを明らかにした。
実験では、顔のパーツが部分的にわかるような表情刺激が用いられ、顔刺激を覗き穴を通して見るような状況が作られた。表情判断の手がかりとなるような部分がどれくらいわかるようになっているか(覗き穴の数)はランダムで、刺激から得られる情報量が表情判断にどのように影響するかが検討された。実験参加者は顔刺激の表情が「恐れ」「悲しみ」「幸せ」「怒り」のどれに該当するかを回答した。
実験の結果は上図(Fig.1)に示されている。Fig.1の左側のグラフは正答率、右側のグラフはどれくらいの情報量があれば各表情の判断ができるか(縦軸の値が大きいことは多くの情報量が必要であることを示す)を表している。まず、左側のグラフから、表情判断は年齢を重ねるごとに正確になること、そして「幸せ」の判断の正答率が最も高いことがわかった。さらに、右側のグラフから、大人が最も少ない情報量で表情を判断できること、そしてどの年齢においても「幸せ」の判断が最も少ない情報量で可能であることが明らかになった。この結果から、表情判断には経験が大きな役割を果たしていることが示唆された。
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