相手に好かれているかどうかは正確に判断できるけど,相手からライバル視されているかどうかは正確に判断できない!:「ライバルと 思ってた相手は 上見てた」

2017/04/11 21:26 に Megumi Tabuchi が投稿   [ 2017/04/13 3:03 に更新しました ]
Eisenkraft, N., Elfenbein, H. A., & Kopelman, S. (2017). We know who likes us, but not whocompetes against us: Dyadic meta-accuracy among work colleagues. Psychological Science, 28(2), 233–241. DOI: 10.1177/0956797616679440

 双方向からのメタ正確性(互いが自分のことをどう思ってるかの正確性)の先行研究によれば,人は知人が自分のことをどう思っているかを比較的正確に判断することができる。しかし多くの研究は,「好意」といったポジティブな気持ちに焦点を当ててきた。この研究では,仕事仲間によくある「競争」(お互いがどの程度ライバルだと思っているか)のメタ正確性に焦点を当てた。
 カーディーラーのセールススタッフ(研究1)と,同じプロジェクトチームに取り組む学生(研究2)からデータを収集した結果,メタ正確性に広く適用されてきたこれまでのモデル(Figure1)が,「好意」の場合は当てはまったが,「競争」(ライバル視)の判断の場合は当てはまらなかった。「好意」の場合は,互いに相互一致する傾向が強いため,自分の気持ちの見積もり(自分自身の気持ちや態度をベースに相手の態度を判断し気持ちを推測すること)がメタ正確性を促進する。つまり,例えばBさんがAさんを好きな場合,BさんはAさんにポジティブな反応を示し,AさんもBさんになんとなく好意を抱く(reciprocity)。そして,Aさんが「Bさんが好き」という気持ちをベースにメタ判断を行うので,「Bさんはわたしを好きに違いない」と判断するので,好意の正確な判断が出来る。
 一方,「競争」では,自分よりも少し能力が高い人に対してはライバル心を持つが,自分よりも劣っている人にはライバル心はもたないので,相互一致性が成り立たず,自己の気持ちの見積もりが正確性に対して効果を持たなかった。つまり,例えばBさんがAさんに対してライバル心を持っている場合,AさんはたいていBさんよりも能力があるのでBさんのことをライバルだとも思っておらず,reciprocityが成り立たない。なので,「Bさんは別にわたしをライバル視してないだろう」という誤った判断になる。
 この研究を通して,人は,相手が自分をどのぐらい好きかは正確に見積もることができるが,相手がどの程度自分をライバル視しているかは,正確に見積もることができないことが分かった。

 この「reciprocity」が「競争」で成り立つ場面もあるのではないか(追い越し追い越されの場面など)や,成り立ったほうがパフォーマンスがいいのか否かについての議論を行った。


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