潜在的測定と顕在的測定なら,時間的安定性はむしろ後者が高い

2017/04/05 23:40 に Asako Miura が投稿   [ 2017/04/13 2:49 に更新しました ]
Gawronski, B., Morrison, M., Phills, C. E., & Galdi, S. (2017). Temporal stability of implicit and explicit measures: A longitudinal analysis. Personality and Social Psychology Bulletin, 43(3),  300-312.
doi: 10.1177/0146167216684131

一般的に,潜在的測定は初期の経験を反映したものという前提が,一方で顕在的測定は直近の経験を反映しているものという前提が置かれている.この前提に従えば,2つの明確な仮説が導かれる.

(a)潜在的測定は状況による導入される変化による影響を受けにくい
(b)潜在的測定の個人差はより安定的である

これまでに,仮説aは数多くの研究対象とされてきたが,仮説bはあまり注目されてこなかった.本研究は仮説bに着目したもので,3つの領域(自己概念・人種に関する態度・政治的態度)に関する潜在/顕在的測定における個人差の時間的安定性を2つの縦断的研究により検討した.いずれの研究でも,潜在的測定の時間的安定性(重み付け平均 r = .54)は,内的一貫性の推定値に問題があったわけではないが,概念的に対応する顕在的測定のそれ(重み付け平均 r = .75)よりも有意に低かった.これらの結果が,潜在的社会的認知の理論にとってどのような意味を持つのかと,潜在/顕在的測定の解釈にまつわる問題について議論した.
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当初の前提とは相違して,潜在的測定の安定性が著しく低すぎるというわけでもないが,顕在的測定の方が過去の回答をアンカーにしている可能性を示唆する結果であった.
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