イギリス英語を理解するためには他のいろんな訛りの英語を聞くのが良い

2017/06/26 2:44 に 西村友佳 が投稿
Potter, C. E., & Saffran, J. R. (2017).  Exposure to multiple accents supports infants' understanding of novel accents. Cognition, 166, 67-72.



訛りのある言葉・方言は聞き手(特にその言語についての知識が乏しい人)にとってとても難しいものである。この研究では、同じ内容ではあるが発音が異なる発話を聞くことが、自分にとって馴染みのない訛りの言葉の理解を助けるかどうかを幼児を対象にして検討した。

実験には15ヶ月から18ヶ月児のアメリカ英語を学習する幼児が参加した。実験はExposureセッションとTestセッションで構成されていた。まず、Exposureセッションではお話の一節を読み聞かせた。この時の音声の発音が実験によって異なっていた。次に、Testセッションでは、音声呈示された単語が単語か非単語かを理解しているか、音声と同時に呈示されている絵をどれだけ見ているかを測定することで解釈した(選好注視法)。

実験1では15ヶ月児を対象に実施した。まず、Exposureセッションでアメリカ英語(幼児にとって馴染みのある言葉)で読み聞かせを行った。そして、Testセッションでは単語・非単語がアメリカ英語かイギリス英語のどちらかで呈示された。その結果、Testセッションでの音声が馴染みのあるものの方が単語・非単語の区別をつけられているようであった(Fig. 1)。
実験2では15ヶ月児を対象に実施した。まず、Exposureセッションで様々な訛りの英語(オーストラリア英語やインド英語など幼児にとって馴染みのない言葉)か、イギリス英語のどちらかで読み聞かせを行った。そして、Testセッションでは単語・非単語がイギリス英語で呈示された。その結果、イギリス英語を経験させる場合も様々な英語を経験させる場合も、単語と非単語の選好の違いは見られなかった(Fig. 2)。
実験3では18ヶ月児を対象に実施した。まず、Exposureセッションで様々な訛りの英語(オーストラリア英語やインド英語など幼児にとって馴染みのない言葉)か、アメリカ英語(幼児にとって馴染みのある言葉)、イギリス英語のいずれかで読み聞かせを行った。そして、Testセッションでは単語・非単語がイギリス英語で呈示された。その結果、様々な英語を経験させた場合、単語と非単語で選好の違いが見られた(Fig. 3)。

実験の結果から、15ヶ月児では馴染みのある発音で話されたものは理解できるが、馴染みのない発音で話されたものは理解できないことがわかった。また、18ヶ月齢になると、様々な発音を聞くことで馴染みのない発音で話されたものでも理解できることが示された。幼児は成長するにつれて様々な発音から得られる手がかりを上手く利用できるようになることが示唆された。
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