健康な女性は男性の顔の歪みがわかる:3D刺激を用いた顔の魅力と対称性の検討

2017/09/28 5:33 に 西村友佳 が投稿   [ 2017/09/28 5:34 に更新しました ]
Lewis, M. B. (2017). Fertility affects asymmetry detection not symmetry preference in assessments of 3D facial attractiveness. Cognition, 166, 130-138.

顔の対称性は魅力度と相関関係にある。そして、女性が男性の対称的な顔を選好することは女性の生殖能力の影響を受けていることが知られている。しかし、先行研究で使用されている顔刺激は正面顔の2次元画像で、顔全体に満遍なく光が当たっているものが多い。また、大抵、画像が2つ提示されてどちらが好きかを回答する強制二肢選択課題が実施されているが、これでは参加者の選択が対称性の選好を反映している、それとも参加者の非対称性検出能力を反映しているのかが区別できない。

そこで本研究では、顔の対称性の効果を測定する3つの課題を実施した。
1つ目は魅力度評価課題で、参加者(全員女性)は画面に提示された1つの顔刺激に対して、1点(魅力的でない)から9点(魅力的である)の間で評価した。
2つ目は魅力選好課題で、参加者は画面の左右に提示された2つの顔画像(一つは対称的な顔、一つは非対称的な顔)を見て、どちらの顔刺激が魅力的かを判断した。
3つ目は非対称性検出課題で、参加者は画面に提示された1つの顔刺激が対称的な顔かどうかを判断した。
課題を実施する前には経口避妊薬を服用しているか、月経周期はどれくらいか、月経期間はどれくらいかを尋ねた。標準的な月経周期(26日〜31日)の参加者のみを健康群(fertility)とした。
顔刺激は右図のような顔の対称性、光の当たり方、顔の角度が異なる3D刺激が用いられた。

実験の結果、3D刺激を用いても顔の対称性は魅力と相関していた。つまり、対称的な顔の魅力度は高く、対称的な顔と非対称的な顔では対称的な顔の方が選好された。
パス解析の結果、健康さ(fertility)と対称的な顔を選好することの間の関連は、対称的な顔の魅力度の高さではなく、非対称性の検出力によって調整されていることが示された。
この結果から、従来の対称的な顔の選好と魅力度に関する研究は非対称性の検出の違いを反映している可能性が考えられる。

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