冷酷な親切:利他的な取り組みに潜む、他人の気分を悪くする要因

2017/06/27 21:20 に 浦勇希 が投稿
Belén López-Pérez, Laura Howells, Michaela Gummerum(2017) Cruel to Be Kind: Factors Underlying Altruistic Efforts to Worsen Another Person’s Mood. Psychological Science1–10

【アブストラクト】
 長い目線で他人のウェルビーイングをよくしようとしたとき、人は短期間だけネガティブな感情を引き起こすようなことを選ぶかもしれない。私たちはこのことを「作為者とターゲットの間の感情制御、利他的感情悪化」とし、次の3条件が揃った時にこれが起こるだろうと仮説を立てた。
(a)作為者は感情悪化のプロセスのターゲットに共感的な心配を経験し、
(b)ターゲットの目的達成を、誘導されたネガティブ感情が助ける(対面という目的を達成するために怒りを与える、回避という目的を達成するために恐怖を与える)
(c)行為者に利益が存在していない
この仮説は140名の参加者が視点の取得(他者の主観と客観的なもの)とコンピューターベースのビデオゲームをする時のゴール(対面か回避か)を操作することによってテストされた。
 その結果、参加者は客観的な視点を得ている時よりも他者の主観的な視点を得ている時の方が、参加者の仲間が対面目標を達成しようと考えていたとしても、より怒りを好んだ。また参加者の仲間が回避目標を達成しようと考えていたとしても、恐れを好んだ。

【実験概要】
実験デザイン
 視点取得(他者主観or客観)×目標(対面(敵を見つけて倒すゲーム)or回避(迫ってくる敵から逃げるゲーム))の4パターン
手続き
 参加者は視点取得の操作によって、共感的配慮の程度が操作されている。
架空のパートナー(参加者はパートナーが実在すると思っている)がゲームを始める前に、参加者はパートナーに対して刺激を与えることができる。その刺激は怒り、恐怖、ニュートラルの3種類のいづれかの感情を与えるようなゲームの描写または楽曲である。
 また、参加者はパートナーに対して3種類の感情のどれを感じてほしいか、そしてそれぞれのゲームでどの感情を持つことが有利に働くと思うかについても聞かれている。


Comments