目を見るだけで心が読める:目の形から複雑な心境を知覚する

2017/04/21 6:37 に 西村友佳 が投稿   [ 2017/04/27 2:29 に Asako Miura さんが更新しました ]
Lee, D. H., & Anderson, A. K. (2017). Reading what the mind thinks from how the eyes sees. Psychological Science, 28(4), 494-503.

人の目は様々な複雑な社会的・感情的情報を伝えてくれます。この論文では、目のどのような形をしているとどのような心的状態を知覚するのかを検討しています。

50種類の心的状態(その内6個は基本情動で、44個は複雑な心的状態)を表した目の画像を用意しました。Fig. 1. では例として嫌悪と恐怖の感情を表した目が示されています。左の画像は目の直径と眉の傾斜、中央の画像は目と眉の距離と眉の曲線が嫌悪と恐怖の感情を表した典型的な目と異なっており、右の画像では目の周りのシワが取り除かれています。そして、各目の画像に対して心的状態を表す言葉がどれくらい当てはまるかを「1. 全く当てはまらない」から「9. 非常によく当てはまる」の9件法で実験参加者に評価してもらいました。


Fig. 2.のaは感情状態地図(距離が近いほどよく似た感情であることを表しています)です。この図から4つの基本情動の内、嫌悪と恐怖は真逆の位置にあり、全く似ていません。
嫌悪感情で特に重要な特徴は鼻のシワと眉の傾斜と盾の幅の狭さであり、恐怖感情で特に重要な特徴は目の直径と目と眉の間が広いことがわかりました。Fig. 2.のbでは4つの基本情動を知覚するために重要な目の特徴が示されています(+は正の相関、−は負の相関、色の明るさは相関係数の大きさを表しています)。cではbを基に嫌悪感情と恐怖感情の例が示されています。また、基本情動だけでなく複雑な心的状態においても各目の特徴から読み取れるものははっきりと別れていました。例えば、畏怖と疑念は感情状態地図においておおよそ対局の位置にあります。
実験2では顔全体が呈示されましたが、感情状態を読み取るためにはやはり目の形が重要であることが示されました。これらの結果から、人が複雑な心的状態を目と眉の間の距離などの細かな違いを読み取ることで理解していることが考えられます。






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