ねむみは判決を厳しくさせる

2017/05/18 5:41 に Asako Miura が投稿   [ 2017/05/18 14:53 に更新しました ]
犯罪者に対する罰の程度をどうするかは,社会的秩序と協力を維持するためにきわめて重要性が高い事案である.それにも関わらず,犯罪者への罰の量はその犯罪の内容以外の諸要因に影響される.本研究では,裁判官の睡眠剥奪が刑の過酷さを増すことを主張する.そのために,サマータイム移行(時計の針を1時間進める)時に自然に擬似的な睡眠剥奪の操作ができることを利用して,米国連邦裁判所の判決のアーカイブデータを分析した.結果は我々の仮説「睡眠剥奪状態の裁判官はより長期間の懲役刑を科す」を支持していた.ちなみに秋に「時計の針を1時間戻す」わけだが,その際は前後の曜日と刑の長さに違いはなかった.

日本だと「あらかじめ決まっている判決をセレモニー的に言い渡す」ことが多いがアメリカはそうでもないようだ.サマータイムという制度を見事に利用し,なおかつ司法等公的機関の記録についてオープンデータ化きわまるアメリカという強みも活かした三浦の好きなタイプの論文.しかしこの知見が社会的に応用されるとなれば「裁判官はサマータイム移行前日は早寝すること」という通達がなされることになるから,もう(当時と比べてまともになった,という後続研究を除くと)この研究はできなくなるのかも… 日本ではサマータイムはないので「自然に擬似的な睡眠剥奪」操作ができるとしたらオリンピックやW杯などが日本とは昼夜逆転の国で開催されて,日本が重要な試合に勝つ…!イベントくらいだろうか.
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