おっちょこちょいがいても問題ない:ときどき間違えるbotの存在がグループの全体のパフォーマンスを上げる

2017/10/08 20:38 に 西村友佳 が投稿
Shirado, H., & Christakis, N, A. (2017). Locally noisy autonomous agents improve global human coordination in network experiments. NATURE, 545, 370-374.

ある状態を最適化する際、グループの中に何かランダムなことがあると全体の最適化に到達しやすくなるかもしれないことが考えられている。この仮説を検証するために、この研究では線で繋がった丸の色を調整していくゲームを使って人とボット(自律的に動作するソフトウェア)の相互作用を調べている。

実験参加者は左図のような線で繋がった丸の1つに配置される。実験参加者の課題は、隣り合う丸が違う色になるように調整していくことであった。例えば、左図の0秒時点では赤い線のところが間違っている状態(隣り合う丸が同じ色)になっているが、245秒後には全ての隣り合う丸が異なる色になっている。実験参加者はこの245秒後の状態を目指して色を変更していく。ただし、実験参加者には左図のような全体像は見えておらず、隣り合う丸しか見えていない。また、全体像のどこかに最大3つボットが含まれていたが、実験参加者には自分の隣の丸が人なのかボットなのかはわからない。ボットがどのように丸の色を変更するかはランダムさが操作された。また、どこに配置されるか(全体像の真ん中辺りか、端の方か)も操作された。

実験の結果、ボットが真ん中の辺りにいて、かつ少しだけランダムに動く(せっかくいい感じに調整されていたのに間違った状態にしてしまう等)場合、グループ全体のパフォーマンスが良かった(最適化までにかかる時間が短かった)。特に、全体の課題難易度が高い時にこの傾向が顕著であった。ボットがランダムに色を変えることが人の課題を容易にするだけでなく、人同士の相互作用にもいい方向に影響することが示された。

ミスをする人は足手まといで迷惑だと思われがちだが、案外そうでもないらしいということが言えるかもしれない。

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