食べるときの匂いと味の役割

2017/10/22 20:10 に 西村友佳 が投稿
Boesveldt, S., & de Graaf, K. (2017). The differential role of smell and taste for eating behavior. Perception, 46, 307-319.

最近よく見かける透明なのに紅茶やジュースの味がする飲み物は味覚と嗅覚(おそらく、特に嗅覚)が働くことで美味しさを感じることができている。このように、味覚と嗅覚は何をどれたけ摂取するかにおいて重要な役割を果たしているが、その機能はそれぞれ異なっている。

【味覚】
味覚は今食べているものにどのような栄養素が含まれているかを感じるシステムである。甘味は糖分、旨味はタンパク質、脂肪感(油っこさ)は脂質、しょっぱさは塩分量と相関している。また、食感とともに味を感じることで、食事の満足感を得ることができる。甘さは快感情に繋がり、苦味は不快な感じを受ける。

【嗅覚】
嗅覚は主に食欲を喚起する役割がある。人は非常に多くの匂いを区別、推測することができると考えられている。また、これまでの経験やラベリングによって匂いの意味(いい匂いか嫌な匂いか)が変化する。ある食べ物の匂いについて既に学習済みの場合、どのような栄養が含まれているのか(味)について推測できるため、食べたいという動機づけが高まり、実際の飲食を予測することができるとされている。しかし、匂いに対して自覚的に気がついているかどうかや匂いの強度、参加者のパーソナリティに依存するため、必ず匂いの知覚から飲食行動を予測できる訳ではない。

味覚と嗅覚についての行動研究はたくさんあるが、生理学的なメカニズムはほとんど未解明のままである。味覚と嗅覚についての研究成果は食べ物の商品開発や、肥満防止に応用していけるはずなので、今後の発展を期待したい。
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