死別後も夫婦の関連は続く

2017/10/01 21:08 に Megumi Tabuchi が投稿   [ 2017/10/01 21:09 に更新しました ]
Bourassa, K. J., Knowles, L. M., Sbarra, D. A., & O’Connor, M. K. (2016) Absentbut Not Gone: Interdependence in Couples’ Quality of Life Persists After a Partner’sDeath. Psychological Science, 27(2), 270-281.

夫婦は,心理的機能やQOLが互いに影響しあうという研究がある。こうした影響は,片方の配偶者が死亡しても続くのだろうか?ここでは,亡くなった配偶者のQOL(心理的Well-being)が,生き残った配偶者のQOLに関連しているか否かを,高齢者のペアデータを用いて検討した。本研究では以下の3つの仮説を立てた。
仮説1)片方の配偶者が死亡した夫婦データにおいて,相手の死亡前のQOLが,死別後の配偶者のQOLを予測する。
仮説2)配偶者と死別した対象者の死別前のQOLは,死別していない夫婦よりも低い。
仮説3)配偶者の死亡前のQOLと生き残った対象者の死別後のQOLの関連は,死別していない配偶者同士のQOLの関連よりも低い。つまり,生き残っている夫婦間の方が当然QOLの関連は強いだろう。

Study of Health, Ageing and Retirement in Europe(SHARE)というヨーロッパ18カ国のパネルデータから,死別を経験した群と夫婦2人とも生存している群を抽出し,QOLデータの分析を行った。その結果,亡くなった配偶者の死亡前のQOLが,生き残ったほうの配偶者の死別後のQOLと正の関連があり,仮説1は支持された。また,死別した配偶者のQOLは,死別の2年前も2年後も,死別していない夫婦より低く,しかし死別の4年前と比較すれば同等であったため,仮説2は一部支持された。また,配偶者の初期のQOLと死別した対象者の後のQOLの関連の強さは,死別した対象者と死別していない対象者で違いはなく,仮説3は支持されなかった(Figure3)。
れらの知見から,夫婦間の心理的影響の関係は,片方が亡くなっても継続していることが明らかとなった。

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