それ,ほんとに信じてるの?:「根も葉もないうわさ」系信念に対する人々の態度

2018/02/20 14:57 に Asako Miura が投稿
Berinsky, A. (2018). Telling the Truth about Believing the Lies?: Evidence for the Limited Prevalence of Expressive Survey Responding. The Journal of Politics, 80(1), 211-224. doi:10.1086/694258

人々が世論調査員に「その噂は本当だと思う」と言うとき,かれらは本当にそれを事実だと信じているのだろうか?「本当だと思う」と言うことを,自分たちの政党支持のシグナルとしてそうしているのではないか?という(素朴な)疑問に基づく研究.あれやこれやの手段で「ほんとはそう思ってないやろ?」と本音を言わせようとした結果,「どうやら本音らしい」ということが分かったというのが結論.

アメリカの典型的な「うわさ」かつ政党支持によって対照的な結果となる2つのうわさを取り上げて検討した.
民主党支持:9.11が起きることを当時の共和党政権は事前に知っていた(中東侵攻の理由付けにするためにわざと無策であった)
共和党支持:オバマはムスリム
  • Inducing exclusion: 「これに関する人々や政治の言説をあなたがどう思っていようとも,真実と思うところを答えよ」と強調する
  • Subtle pipeline experiment: 「嘘をつくとコストがかかるよ?」とやんわり教示する.例えば投票に関する調査で「投票したって言うけど実際はしてない人,ちょくちょくいるんですよ」と言う.ここでは「ほんとはそんなこと信じてないのにうわさの対象について悪口を言いたいがために信じてるって言う人いるよねえ.でもここであなたはそういうことしないでね?と教示する
  • Incentivizing answers: 「ほんとのことを言うとベネフィットがある」が効く.たとえば10分かかる投票に関する調査に応諾した人々に「この調査は投票した人にあれこれ聞くものなんで」と説明し,投票していなければ2分で終わるし,投票していようがいまいが報酬は同じ,と言う.「投票していない」人が「投票する」と答えるとたくさん質問に答える羽目になる
  • List experiment: おなじみ(でも三浦はまだやったことがない)リスト実験と直接質問を組み合わせて両者を比較
結論:Each method employed in this paper uses a different logic, a different design, and a different sample to separate expressive responses from true beliefs. On their own, each of the studies presented in the paper is not perfect, but taken together, this diverse evidence points to one common conclusion: the incidence of expressive responding on the belief in government involvement in 9/11 is relatively rare and that on the question of Obama’s religion is rarer still.
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