態度が潜在と顕在で矛盾していると,その対象の情報に対して注意深く処理するようになる

2017/06/01 2:13 に Saki Nakamura が投稿   [ 2017/06/01 2:13 に更新しました ]
Johnson, I. R., Petty, R. E., Briñol, P., & See, Y. H. M. (2017). Persuasive message scrutiny as a function of implicit-explicit discrepancies in racial attitudes. Journal of Experimental Social Psychology, 70, 222-234.

先行研究では,偏見が小さい個人は,差別対象となる個人からの情報,あるいは,それに関する情報が提示された時に,そうでない人の場合と比較して,より熟慮するようになることが示されている。これが生じる可能性の1つに,番犬動機づけ(watchdog motivation),つまり,差別対象の他者に対する潜在的な偏見への反発を抑制するようにして,精査の度合いが高まるということがあげられる。本研究では,潜在的なアンビバレンス(潜在と顕在の矛盾)の考えをベースに,番犬仮説の妥当性について検証した。特に,顕在的な(熟慮的な)偏見が小さい個人は,偏見に関連する文脈においては潜在的な(自動的な)偏見が高まるとされる。潜在的アンビバレンスの枠組みもまた,顕著に顕在的な偏見が高いが潜在的偏見が低い個人も情報を積極的に処理しようという方向性を示すと予測される。予測通り,人種の潜在ー顕在的態度が矛盾している人は,矛盾していない人よりも,黒人を雇うことに関するメッセージについてより精査をした(研究1)。黒人の候補者のメッセージを用いた時(研究2)でも,人種関連メッセージの前にサブリミナルプライミングをしたとき(研究3)でさえ,同様の効果が見られた。

Figure 1は実験1の結果。IATのスコアと尺度で測定した偏見の差分による,黒人からの説得的メッセージを受けた後の態度を示す。差分が大きい時にのみ,メッセージの論拠の強弱の影響が見られた。
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