態度の主観的な両価性における非対称性

2017/04/13 19:12 に Saki Nakamura が投稿   [ 2017/04/13 19:21 に更新しました ]
Snyder, A. I., & Tormala, Z. L. (2017). Valence asymmetries in attitude ambivalence. Journal of personality and social psychology, 112(4), 555-557.

たとえば,チョコレートはおいしいけどカロリーが高いというように,人はある対象にポジティブな反応とネガティブな反応の両方を持っている。このようにある態度対象に対して2つの反応が同時に存在する時には葛藤が生じ,この主観的な経験のことを主観的両価性という。

既存の態度の両価性のモデルでは,葛藤の数(ポジとネガがダブっている数)が増えるほど,主観的な両価性が高まるという(Figure 2のA)。しかし面白いことに,これらのモデルの圧倒的多数が,この関係はバレンスと独立していると仮定している。本研究は3つの研究で,この効果が2種類のバレンスの非対称性(positivity offsetとnegativity bias)に大きく影響されることを示す。positivity offsetはデフォルト状態ではポジティブな評価をしやすいというものである。本研究では,ある態度対象にネガティブ反応のみを持つ時には,positivity offsetによるデフォルトのポジティブな反応傾向との葛藤によって,主観的な両価性が生じると予測した(Figure 2のC)。一方で,negativity biasは,一般的にネガティブ情報のほうがポジティブ情報よりも影響が大きいというものである。葛藤状態(つまり,ある対象にポジティブとネガティブの両方の反応を持つ場合)では,negativity biasによってネガティブ反応の影響が大きくなるので,ポジティブ反応がネガティブ反応よりも多いときに,主観的な両価性が大きくなると予測した(Figure 2のB)。

本研究の結果はこれらの予測を支持した。既存の両価性の理論とは異なり,ポジティブ反応とネガティブ反応の両方が存在する時には,ポジティブとネガティブの反応の数が同じ時に主観的両価性が最大にならなかった。むしろ,主観的な両価性のピークは,ポジティブな反応の数がネガティブな反応の数に勝るときであった。
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