我思う、故に瞬く 条件づけにおける随伴性意識の重要性

2017/06/22 6:26 に Sayo Kaneuchi が投稿   [ 2017/06/22 6:33 に更新しました ]
Weidemann, G., Satkunarajah, M., & Lovibond, P. F. (2016). I Think, Therefore Eyeblink The Importance of Contingency Awareness in Conditioning. Psychological science.

条件づけって無意識なままに行われるというのが定説だけど、(刺激同士の随伴性を)意識しているかどうかも、その成立にとってかなり重要なんじゃない?という話

 

【序論】

パブロフの瞬目条件づけ…電子音や画像と言った、本来中性的な刺激(条件刺激CS)が同時にペアとなって目に提示されるair-puff刺激(無条件刺激US)の結果、瞬目反応(条件反応CR)を誘導する。分化条件づけデザインでは、CSUSと対提示される時と対提示されない(CSのみ提示される)時がある。随伴性が意識されていることと、条件づけとの間には強い関係があることが示されてきた。二重過程理論(dual-system theory)によれば、条件づけと意識は何らかの対応関係を持つ。これまでの研究では、条件づけと意識(気づき)が関わりを持っていることを示してはいるものの、意識そのものが原因となっていることを必ずしも示すわけではない。

 

【仮説】

 条件づけが自動的プロセスなら、教示や意識に関わらず、条件づけが生じるだろう。しかし、意識が原因的なら、CSUSの関係に注意を向けさせるまたは逸らすような教示は条件反応を変化させるだろうし、この効果は随伴性意識によって調整される。

 

 【実験材料】

CSは4色の幾何学的図形で、これらを画面上に提示した。

USair-puff刺激。

 

 【手続き】

☆…予測可能な関係性あり(ある図形は必ずair-puff刺激と、またそれ以外の3つの図形は必ず電子音と対提示された)

 

・告知群
 特定の図形がエアパフ提示を予告する、と教示。
・非告知群
 2つの課題の関係についての事前教示なし
・関係群
  2つの課題には関係があると教示、ただしどんな関係かは教えられなかった。

・ランダム群

air-puff刺激・電子音と、図形が全くランダムな組み合わせで提示される。

 

 ・課題1…go / no-go課題

  電子音とair-puff刺激のどちらかを提示。電子音ならボタンを押す、air-puff刺激なら押さない。

 ・課題2…one back課題

  画面に提示された図形が一つ前に提示されたものと同じならボタンを押す。

 ・課題3…混合課題
  図形が提示されたあと、air-puff刺激または電子音が提示される。電子音ならボタンを押す。図形が一つ前のものと同じならボタンを押す。

 

 【結果】 

参加者の内、CS+図形とair-puff刺激の関係に気づいていた人や、エアパフと常に提示された図形を問われて正しいものを答えた人は、随伴性意識群(「気づいていた」)、そうでない人は随伴性非意識群。

告知群(CS+USの関係について明確な情報あり)で「気づいていた」参加者は試行の最初のブロックから分化反応を見せた。関係群(2つの課題は関連しているが具体的なことは知らされない) の参加者はほとんどが「気づいてい」て、試行を重ねる度に分化反応が進んだ。対照的に、非告知群(CS+USの関係について何も知らず、刺激が全く関係ない2つの課題から提示されていると思っている)は、 気づきもほぼなく、分化条件づけもされなかった。非告知群とランダム群は、差がなかった。 「気づいていた」参加者は最終的に告知群と同程度の分化条件反応を示した。
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