「行動自体が楽しい!」ものでないと長期的な目標行動なんて続かない…

2017/04/20 2:03 に Megumi Tabuchi が投稿

Woolley, K. & Fishbach, A. (2017) Immediate RewardsPredict Adherence to Long-Term Goals. Personality and Social Psychology Bulletin, 43(2), 151-162.


人は基本的に,後から遅れて受け取る報酬のために,長期的な目標を立てる(例えば,健康を改善するために運動する,など)。しかし本研究では,後から受け取る報酬があるか否かよりも,すぐに受け取れる報酬(ここでは,その行動をすること事態が楽しい!という短期的な報酬)があるか否かのほうが,その目標達成のための行動が持続するかをより強く予測できることを明らかにした。

研究1では,「行動自体が楽しい」といった,すぐに受け取れる報酬は,新年の目標を初志貫徹できるかを予測していたが,後から受け取る報酬は予測していないことが明らかとなった。また,基本的に後から受け取る報酬のためにする行動である勉強や運動であっても,すぐに報酬を受け取れるか否かが行動を続けられるかどうかに影響していた(研究2,3)。これは,1週間であっても3ヶ月であっても,同じ結果だった(研究4)。そして,報酬の予測(報酬がもらえる!と思うこと)であろうが,実際に報酬を受け取る場合であろうが,同じ結果だった(研究5)
総じて,後から受け取る報酬は,長期的な目標を設定したり心積もりをしたりするモチベーションにはなる一方,短期的な報酬が,その目標のための行動を続けるかどうかに強く関わってくることが明らかになった。

研究1では,「今年の目標」をたずねて,その行動を2ヵ月後にどの程度頑張れているかどうかと,その行動がどのぐらい楽しいか(短期的報酬),その行動がどのぐらい意味があるか(長期的報酬)を調査
研究2では,図書館で勉強している人,研究3ではジムで運動している人を調査し,短期的・長期的報酬と,勉強・運動を実際どのぐらい長く粘って頑張っていたかを検討
研究4では,1週間,あるいは3ヶ月間での運動や食事といった行動と,短期的・長期的報酬との関連を検討
研究5では,「好きなだけにんじん(!)食べていいよ」と言って,実際に食べた量と,短期的・長期的報酬との関連を検討

今回の研究では,目標達成が全て「別に達成されなくても死なない」程度のものだったので,短期的報酬(楽しい!と思う程度)のほうが圧倒的に影響があったのではないか,という議論に。目標達成できないと致命的な結果が待っている場合であれば,長期的報酬を目指して行動維持できることもある,のかもしれない。

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