助けるなら近い人

2017/05/25 0:58 に Asako Miura が投稿
一定の重力下において,10フィートの距離から投げつけられた雪玉は,50フィートの距離から投げつけられた雪玉よりも痛い.つまりより大きなインパクトを持つ.われわれは,寄付行動をこの雪玉と同じようなものだと考え,近い対象へのそれが(遠い対象よりも)強いインパクトを持つと期待されることを示す.つまり,与えうるインパクト(が大きい)ことが向社会的行動を強く動機づける要因であるがゆえに,社会的距離とは独立に,物理的に「近い」(vs遠い)ものを援助しようとするということである.実験室実験とフィールド実験,募金キャンペーンに関する二次データの分析を含む6つの研究によって,この予測は支持された.特に,研究1では,この予測が人々の比喩的思考(metaphorical thinking)に根ざしていることを示した.同窓生が母校に寄付をするという文脈において,実際の(研究2),あるいは知覚された(研究3)距離が短いと寄付が増えることが示された.研究4ではこれらの知見が,距離の知覚のより保守的な操作をしても見られることを確認し,研究5ではインパクトのへの期待の調整mediating効果を示し,研究6ではインパクトを与えることに動機的な注目を向けさせることがこの効果を仲介moderateすることを示した.

Study 1では,以下のような図を示して「遠いところからのものはインパクトが弱い」という考え方を導入した上で,アメリカから近い/遠いとした国(実際はほぼ等距離のグアテマラとホンジュラス)への寄付のインパクトの強さを見積もらせると,遠い方への見積もりが弱くなることを示した.垂直方向の図を示した場合は同様の効果が見られなかった.
Study 2では,アメリカの大学の同窓生からの寄付状況を調べ,近距離の人の方がよく寄付していることを確認した.Study 3では実際に大学の同窓会名簿データベースを使って寄付を募り,その際の依頼文で遠/近距離ぽさを操作.よくあることではあるけれど,寄付した人がほとんどいなかったので正直涙目だったが,一応仮説を支持する結果を得た.
Comments