自分の食べる姿を見るだけでも,よりおいしく感じ,食が進む。これは「ポジティブなムード」ではなく「他者の存在」そのものが影響。

2017/06/28 7:39 に Saki Nakamura が投稿   [ 2017/06/28 7:41 に更新しました ]

1人で食べる時よりも一緒に食べるときのほうが,食べ物がよりおいしく,食が進む。このような食の社会的促進にはいくつかの説明(たとえば,他者と一緒に食べることによる「ポジティブなムード」によって生じる)があるが,共通して,この現象は一緒に食事をする他者の存在によって生じるという前提がある。本研究では,目の前に他者が存在しなくても,同様に社会的促進が生じることを示す。参加者の高齢者は,鏡の前(ポップコーンを食べる参加者自身の姿が見える状態),もしくは,壁を映したモニターの前で一人でポップコーン食べた。その結果,鏡で自分自身の姿が映った条件の方がモニター条件よりも,ポップコーンを食べる量が多く,さらにポップコーンに対する評価が高かった ( Figure 1 )。これは若者でも同様の結果が得られた。この結果は,食の社会的促進が必ずしも他者の存在が必要ではないことを示している。さらに,同様の食の社会的促進が,参加者自身が食事をしている静止画を前に置いた時にも観察された。これは「誰かが食べる」という静的な視覚的情報が,食の社会的促進を生じさせるのに十分であることを示す。
※誰かと一緒に食べることが「ポジティブムード」を喚起するとよく言われているが,3つの研究を通して,参加者自分が食事する姿によってのポジティブムードが生じなかったことから,「ポジティブムード」が食の社会的促進に必ずしも関与しているということもなさそうだ。


Comments