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database per reporter(Abstractの和訳はこちら)

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2016/02/24 0:14 に Saki Nakamura が投稿

【中村】
Travers, E., Rolison, J. J., Feeney, A. (2016).
Cognition, 150, 109–118. doi:10.1016/j.cognition.2016.01.015
ヘッドライン:認知的熟慮性テスト(CRT)において,正解した人でも,最初は直感的な選択肢に引きつけられる。

【村山さん】
Ng, A. H., Steele, J. R., & Sasaki, J. Y.  (2016)  
Journal of Experimental Social Psychology, 64, 21–26.
ヘッドライン:ヨーロッパ系カナダ人では社会的カテゴリーに基づく顔認識バイアスが生じるが、アジア系カナダ人では見られない。

【三浦先生】
Ramsey, S. R., Thompson, K. L., McKenzie, M., & Rosenbaum, A. (2016).
Computers in Human Behavior, 58, 354-360.
ヘッドライン: 質問項目に目を通したかどうかに大学生とMTurkerの違いはないが,教示をちゃんと読んでそれに従うかどうかは随分違う.

☆コメント☆
【中村】 デフォルト干渉型の二過程モデル(System 2がSystem 1に干渉する)なのか,並行競合型の二過程モデル(System 1とSystem 2の両方が同時に作用する)なのか,そのプロセスについてマウストラッキング法を用いて明らかにするというのが,とても面白かったです。

【村山さん】 異なる人種の人の方が区別しにくいというのは,経験的にもよくあり,非常に納得のいく結果でした。ただ,アジア系とはいえ両者ともにカナダ人なので,アジアの国に住んでいる人と違って,アジア系カナダ人は互いの人種の顔をよく目にするので,顔認識バイアスに何らかの違いがありそうだなと思いました。

【三浦先生】 普段の実験をしていると,よほど見落とすようなことをしなければ,実験室に来る人は非常に教示に従って行動しているように思えるが,この研究ではMTurkerの方が大学生(実験室で実施)よりも教示をよく読んでいるとのこと。MTurkerは実験参加のプロですね。

2/15

2016/02/23 23:38 に Saki Nakamura が投稿

【中村】
Rast, D. E. III, Hogg, M. A., & Tomory, J. J. (2015).
Self and Identity, 14 (2), 135-146. DOI: 10.1080/15298868.2014.964755. 
ヘッドライン:認知欲求が高い時には,自己不確実性による典型的なリーダー選好の効果が弱まる。

【田渕さん】
Silva, K., Chein, J., & Steinberg, L. (2016). 
Psychological Science, in press DOI: 10.1177/0956797615620379
ヘッドライン:集団にちょっと年上が入るだけで若者の危険行動は抑制される。

【三浦先生】
Rogers, T., & Feller, A. (in press).
Psychological Science. DOI: 10.1177/0956797615623770
ヘッドライン: とても有能な仲間がいると心が折れるのは仕方のないことなんだ

☆コメント☆
【中村】 個人の認知欲求と自己不確実性の程度を測定し,記述にあるリーダー(典型的or非典型的)をどれだけ支持するかを尋ねるだけの簡単な調査。「リーダーの選好」というお話であれば,両方のリーダーの記述を見せた上で選択させた場合でも同様の結果が得られるのか気になりました。

【田渕さん】 タスクに関与せず,ただただ見ているだけなのに,大学生集団に院生が1人混じるだけで危険行動が抑制されるという結果に。これがなぜ生じるのかまでは明らかになってはいないですが,年上ではなく年下だったら危険行動が促進されるのか…など,いろいろと気になるところがあります。Stoplight gameをリスク行動の指標として用いたのも面白かったです。

【三浦先生】 Figure 2のz = 2のところが見事な落ち込み具合です。MOOC(Massive open online course(日本で言うとGACCOのようなもの))という,実際のオンラインの授業の受講者間の相互評価のデータと,実験のデータ両方で,きれいにこの結果が再現されていました。

2/1

2016/02/01 16:05 に Asako Miura が投稿

【村山さん】
Carter, E. C., McCullough, M. E., Kim-spoon, J., Corrales, C., & Blake, A. (2012). 
Religious people discount the future less. Evolution and Human Behavior, 33(3), 224–231.

ヘッドライン:宗教にかかわりの深い人たちは遅延価値割引をしにくい

三浦コメント:
宗教のなりたちを進化心理学的に説明するロジック(狩猟社会から農耕社会になり,より多くの人々がコミュニティを形成して生き延びていくためには,血縁重視以外の関係性を重く見て利他性を発揮するようなことが必要になり,そのための規範(教え)として「今はちょっと私利私欲を我慢してみんなのために尽くしなさい」的な宗教が創り上げられてきた,的な)が面白かった.一方で,宗教性と時間感覚の関連については,宗教性が高いと「未来(死後さえも)を近く感じる」ために満足の遅延ができる,という仮説導出までのロジックには,ちょっと違和感があった.これは洋の東西の違いと言えるのだろうか?

【三浦】
Hauser, D. J., & Schwarz, N. (2015). 
It’s a Trap! Instructional Manipulation Checks Prompt Systematic Thinking on “Tricky” Tasks. SAGE Open, 5(2), 1-6.

ヘッドライン: オンライン研究でIMCを使うと思考課題のパフォーマンスを向上させることができる.ただし,本課題の前に実施するべき.

三浦コメント:
不注意を測定するというよりも,「ほら,注意を測定しておくような課題を今からしてもらいますからね!」というメッセージを参加者に伝えるためにIMCを使い,それが機能することを示した研究.IMCに慣れた人々が大量にいるMechanical Turkならでは.

12/7

2015/12/07 1:41 に Megumi Tabuchi が投稿

【中村さん】

Larsen, J. T., & McGraw, A. P. (2011).

Further Evidence for Mixed Emotions.

Journal of Personality and Social Psychology, 100(6), 1095–1110. DOI: 10.1037/a0021846

ヘッドライン:めったに経験しないけど、幸せと悲しみは同時に感じることはできる。


【田渕】

Metcalfe, J., Casal-Roscum, L., Radin, A., & Friedman, D. (2016)

On Teaching Old Dogs New Tricks.

Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615597912

ヘッドライン:高齢者は若者に比べて,自信のない問題にも注意を払う。


【村山さん】

Vishkin, A., Bigman, Y. E., Porat, R., Solak, N., Halperin, E.,  & Tamir, M. (in press).

GodRest Our Hearts : Religiosity and Cognitive Reappraisal.

Emotion(in press). http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26461249    

ヘッドライン:宗教性の強さは認知的再評価を通した感情制御をしやすくさせる。


(コメント)

【中村さん】

「幸せ」というポジティブな感情と,「悲しみ」というネガティブな感情を人は同時に感じることが出来るんですよ,それは質問紙のきき方を変えても出ますよ,ということを示した論文。どちらか一方しか感じ得ないに違いないという大前提がある人たちには,目からうろこな発想なんだろうか・・という不思議な感じはしました。イサイドアウトはまさにオチがこんな感じなので,どちらが先かが気になるところです。


【田渕】

高齢者はその問題に自信があるか否かに関わらず自分の失敗に注意を向けるので,結果として課題成績がいい,ということを報告した論文。80代の方にも4時間近くのクイズをやって脳波とって,かなりの手間をかけた研究。考察含め,これまた色々議論になりそうな結果で,題材として面白かったです。題名のわんちゃんの言い回しがよく使われるものであると知りました。


【村山さん】

宗教性が高いと,「苦しみにも意味がある」的な認知的再評価を通した感情の制御が働きやすくなることを報告した論文。たしかにキリスト教的教えには,ネガティブな出来事をポジティブに捉え直す教訓が満載なので,関連は深そうだと思います。その点,仏教では捉え方がちょっと違うと思うので,感情制御とどんな関連になるのか気になります。でもやっぱり,仏教は「仏教徒」とそれ以外の境目をどこに置くのか曖昧なので難しいですね・・





11/16

2015/11/15 23:31 に Saki Nakamura が投稿

【中村】
Mussweiler, T., & Posten, A. C. (2012).
Cognition, 122(2), 236-240. doi:10.1016/j.cognition.2011.10.005
ヘッドライン:比べて考えることが、自分の判断の確信度を増加させる

【田渕さん】
Hashimoto, H., Mifune, N., & Yamagishi, T. (2014). 
Letters on Evolutionary Behavioral Science, 5(2), 17-20. doi: 10.5178/lebs.2014.31.
ヘッドライン:一見利他的に見える行動は,同集団から「悪い評価を受けたくない」という動機によるところが大きい

【三浦先生】
Ishiguro, I. (2016). 
Social Networks, 44, 219-225.
ヘッドライン:理論的にはあまり新しいネタはありませんが、ネットワークの中心でも周辺でも、外向性の効果は似たようになるという分析になりました。当初予定していませんでしたが、レフェリーを説得するために必要になり。あとは、neuroticismの効果も出しています。お楽しみください。

☆コメント☆
【中村】 比べて考えるようになるためのプライミングとして、絵を半分に折って、その左右での相違点を書きだすという方法を用いていた。このプライミングの後に、基準と比較するような判断課題において確信度が増すというものであった。説得メッセージについても、図表を使って比較できるようにした方が、言葉を羅列するよりも、受け手の態度の確信度が高くなりそう。

【田渕さん】 先行研究(Dana, Cain, & Dawes, 2006)の追試論文。文化的に考えると日本人の方が「悪く思われたくない」ことによる利他行動は多くなりそうだが、先行研究(欧米サンプル)とほぼ同じ結果とのこと。他者から悪い評価を受けたくないというのが、判断時の目の効果と関連するのかという話になりました。

【三浦先生】 分位点回帰がどういうものに使えるかどうかという話になりました。発言量と会話の有意義感の関連とかも、発言量は右側の裾が長くなる分布でかつ、中央値の左右で会話の有意義感の関連が異なりそうなので、分位点回帰が使えるのかなと思いました。

11/9

2015/11/15 18:19 に Aya Murayama が投稿

【中村さん】
Hong, J. & Chang, H. H.    (2015). “I” Follow My Heart and “We” Rely on Reasons: The Impact of Self-Construal on Reliance on Feelings versus Reasons in Decision Making.    Journal of Consumer Research, 41, 1392-1411.
ヘッドライン:自分のものは見た目を、みんなのものは中身を重視して選ぶ。

アパートA(認知的特性が優れている)とアパートB(感情的特性が優れている)のどちらを選ぶかという課題が使用されていたが、それぞれのアパートが本当に認知的特性や感情的特性という点において差異があるのかという問題について議論した。また、相互協調的自己感や相互独立的自己感に関する議論がやや古臭い印象だった。

【田渕さん】
Coman, A., & Berry, J. N.  (2015). Infectious Cognition: Risk Perception Affects Socially Shared Retrieval-Induced Forgetting of Medical Information. Psychological Science, in press.
ヘッドライン:ある病気に対してリスクが高いと知覚すると,検索誘導性忘却(その病気について学習した情報と同じカテゴリーの情報を忘れてしまう)が起こる。

検索誘導性忘却という概念をイマイチ理解できないが、言われてみればそんなこともありえるのかもしれない。認知資源の配分の問題だと思うが、「忘却」という事態が発生するのが興味深かった。

【村山】
Harber, K. D., Podolski, P., & Williams, C. H.     (2015).    Emotional Disclosure and Victim Blaming. Emotion, 15(1), 109.
ヘッドライン:感情の開示によって被害者非難を予防できる。

ペネベーカーさんのお弟子さんによる論文のようだった。感情の開示によって1週間後の被害者非難の程度が下がる、という結果だった。たとえ開示させた感情に被害者を非難するような内容が多く含まれていたとしても、長期的なネガティブな影響を低減させるということであればありなのかなぁと思った。




10/5

2015/10/18 18:01 に Aya Murayama が投稿

中村さん】
Xu, A. J., Schwarz, N., & Wyer, R. S. (2015) Hunger promotes acquisition of nonfood objects. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 112(9), 2688–2692. doi: 10.1073/pnas.1417712112
ヘッドライン:お腹が減っている時に買い物に行くと、たくさん買ってしまうぞ!

直感的には「たぶんそうなんだろうなぁ」というのはあったけど、あれこれと実験をしていて頑張ってデータを取ったんだなと思った。バインダークリップをどれくらい欲しいかという研究と、ショッピングモールでの実験が面白かった。ショッピングモールといっても広いので、フードコート近くでデータを取ったらどうだろうとか、ショッピングモールでたくさん買い物させるためのレストランやフードコートの配置戦略について話をした。

【田渕さん】
Thorstenson, C. A., Pazda, A. D., & Elliot, A. J. (2015). Sadness Impairs Color Perception. Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615597672
ヘッドライン:悲しいときは青黄系の色の識別ができなくなる。

こちらも、直感的に「たぶんそうなんだろうなぁ」というのがあるテーマだった。知覚実験では試行回数がすごく多くなる印象だけど、この実験では48試行しか行っておらず(しかも24種類の刺激×2回の実施)、この程度の測定でも大丈夫なのかなと思った。色弱の人たちはどうなるのだろうという話も出た。

【村山】
Correia, I., Alves, H., Morais, R., & Ramos, M. (2015). The legitimation of wife abuse among women: The impact of belief in a just world and gender identification. Personality and Individual Differences, 76, 7–12. doi:10.1016/j.paid.2014.11.041
ヘッドライン:女性としての社会的同一視が高く、PBJWが高いと、妻に対する虐待の正統性を高く判断する。

公正世界信念の研究。これまでは一般的な公正世界信念(GBJW)と被害者非難との関係を示した研究が多かったが、これは個人的な公正世界信念(PBJW)が高くて、被害者との同一視(今回は女性)が高いと被害を受ける正統性を高く評価するという研究だった。あまり新しいとは思わないけど、、、新しいのか、、、という感じだった。

09/28

2015/10/05 2:08 に Saki Nakamura が投稿

【中村】
Mannetti, L., Brizi, A., Giacomantonio, M., & Higgins, E. T. (2013).
PLOS ONE, 8(10), e77040. doi:10.1371/journal.pone.0077040
ヘッドライン:個人の焦点とメッセージのフレームの一致が説得に及ぼす影響について、政治的トピックを用いて検討。

【村山さん】
Mazar, N., & Hawkins, S. A. (2015).
Journal of Experimental Social Psychology, 59, 113–117. doi:10.1016/j.jesp.2015.04.004
ヘッドライン:何も手を下さずに不正できてしまうと、不正率も高いし心理的な負担も小さい。

☆コメント☆
【中村】 これまでも制御焦点理論に基づいた説得研究はたくさんあるが、この研究では政治的メッセージを用いていた。研究1では、顕在的態度と潜在的態度の両方を測定していたのに対し、研究2では顕在的態度のみ(研究1では説得の効果がなかった)を測定していたり、研究1と2で扱うトピックの選定方法も不明瞭な点が多い。この論文もそうですが、制御焦点理論に基づいた説得研究では、事前態度を測定していないものが多い気がします。

【村山さん】 何もしなかったら不正…というような状況の方が、心理的負担が少なく不正が生じやすいことを、行為バイアスに基づいて検討した論文。タックスリターンとか保険の申告漏れをこの論文で説明できるのではないかとのことでした。

9/14

2015/09/14 20:20 に Saki Nakamura が投稿   [ 2015/09/14 20:48 に更新しました ]

【中村】
Rudd, M., Vohs, K. D. and Aaker, J. (2012).
Psychological Science, 23(10), 1130–1136.
ヘッドライン:畏怖を感じると時間のゆとりを知覚する。

【田渕さん】
Erin A. Maloney, E. A., Ramirez, G., Gunderson, E. A., Levine, S. C., & Beilock, S. L. (2015). 
Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615592630
ヘッドライン:算数不安の高い両親が頻繁に宿題を手伝うと,子どもの算数の成績は上がらず不安も高くなる。

【三浦先生】
Open Science Collaboration (2015).
Science, 349(6251).
ヘッドライン:心理学の研究結果、6割以上が再現不可能.

☆コメント☆
【中村】 時間の有用性の知覚→畏怖の方向の話はよくあるが、畏怖→時間の有用性の知覚の方向という、これまでとは逆の方向の因果を検討したのがこの論文の新しいところなのかと思います。ただ、序論で書かれていた理論も時間の有用性→畏怖の方向に関する理論で、畏怖→時間の有用性の方向のメカニズムが納得できない感じであった。また、実験3の「エッフェル塔に上ってパリの景色を見る(という文章を読ませる)」というのは、畏怖の操作になっているのか疑問が残る。

【田渕さん】 Figure 2の交互作用のグラフが見事です。算数不安が高く、頻繁に宿題を手伝う親のところだけが、子供の算数の成績が落ちていました。算数不安の低い両親でも、手伝う頻度によって成績があまり変わらないので、宿題の内容には口出しせず、先生にお任せしておいた方がいいのかもしれない。両親の算数不安の高低によって、宿題の教え方の「質」に違いがあるのでは、という話になりました。

【三浦先生】 心理学の研究の中でも、認知心理の再現率は半分程度であるが、社会心理で再現できた論文は30%を以下ととても低い。再現できたものはオリジナルと同じくらいの効果量であったが、再現できなかったものはオリジナルの効果量とは全く関連がなかった。再現できなかった論文がダメということではなく、このような証拠を蓄積して、修正していくように努めることが大事とのこと。見ただけで結果が直感的に理解しやすい図も素敵でした。

7/27

2015/07/27 0:42 に Megumi Tabuchi が投稿

【中村さん】

Chen, F. S., Minson, J. A. Schöne, M. & Heinrichs, M. (2013).

In the Eye of the Beholder: Eye Contact Increases Resistance to Persuasion.

Psychological Science, 24(11), 2254–2261

ヘッドライン: 説得者の目をじっと見つめると、説得されにくくなる。


【田渕】

Schäfer, M., Haun, D. B. M., & Tomasello, M. (2015).

 Fair Is Not Fair Everywhere.

Psychological Science, in press. DOI: 10.1177/0956797615586188

ヘッドライン:「働いた分だけそれ相応の報酬をもらう」という分配公正性の感覚には文化差がある。


【三浦先生】

Donnellan, M. B., Lucas, R. E., & Cesario, J. (2015).
Emotion, 15(1), 109.
ヘッドライン: 「孤独な人ほど入浴したがる」研究にダウト.

*コメント
【中村さん】
説得される側が説得者の目をじっと見ている方が、口をじっと見ているよりも説得されにくいという研究。ビデオ映像を用いているので実際の場面に応用できるのかはともかくも、綺麗な結果が出ているところが(nは少なくても)Psychological Scienceなのかなぁという感じです。この結果だと「目を見ない効果」というよりも「口元を見ると説得されやすくなる」という効果が強く出ているようなので、例えば選挙演説者は口元に特異なヒゲとかつけておくほうがいい・・のかもしれないですね。

【田渕】
分配公正性には分化差がある、というのを3つの文化圏の子どもたちを対象に行った研究。ナミビアとケニアの子どもたち、特にケニア(年齢がヒエラルキーになる社会)の子どもたちの間では「いっぱい貢献したほうがいっぱいもらう」という感覚がほとんどない、ということが行動で明らかに分かるというのが面白かったです。ニカウさんは貢献度合いにあまり関わらず均等に分ける派、ということです。ケニアの子たちがいつの時点で「分配」の感覚が形成されるのか気になります。

【三浦先生】
Bargh and Sahlev(2012)の追試をして「入浴と孤独感は関係なかった」ことを示した研究(マペットさんふたたび!)。サンプルサイズが少なすぎたり、なによりサンプルの分布が明らかにおかしかったり(1週間に1回以下しか入浴しない、しかも冷たいお湯に使っているという人が大半)という点を正してデータをとってみると、やっぱり全然関係ないという結果に。こうしてみるとやはりBargh and Sahlev(2012)がいかに怪しげかというのがよく分かりましたが、どういう経緯でそんな謎集団からからデータをとってこうなったのかは永久に謎ですね。。。日本人大学生のサンプルがいかに真面目か、というのがわかったのも面白かったです。

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