2012.10.29

2012/11/02 20:03 に 末吉南美 が投稿   [ 2012/11/02 20:03 に更新しました ]
末吉
Barry, H. & Tyler, T. R. (2009). The other side of injustice: when unfair procedures increase group-serving behavior. Psychological science, 20(8), 1026-1032.
より高いレベルで同一化した自分の所属集団が不公正であった場合、集団不公正は自分の不公正と混同されてしまうので、その不公正を低減させようとして貢献行動が増加する。
 
寺島さん

Lammers, J., Stoker, J. I., Jordan, J., Pollmann, M., & Stapel, D. (2011). Power Increases Infidelity Among Men and Women. Psychological Science, 22(9), 1191-1197.

高い地位についている人はそうでない人よりも浮気をしがちであるが、このことは彼らの自信の高さに媒介されており、またこれらの結果にジェンダー差は無かった。

 

田渕さん

Mogilner, C., Chance, Z., & Norton, M. Giving Time Gives You Time. Psychological Science, 23(10), 1233–1238. DOI: 10.1177/0956797612442551

時間を自分ではなく誰かのために使う方が,セルフエフィカシーが高まるため,時間に余裕ができる

 

村山さん

Wakslak, C. J. (2012).  The experience of cognitive dissonance in important and trivial domains: A Construal-Level Theory approach. Journal of Experimental Social Psychology, 48(6), 1361-1364. Elsevier Inc. doi:10.1016/j.jesp.2012.05.011

高次な解釈レベルが指向されている場合、対象となる事項が重要な場合に限って、不協和を低減しようとする傾向が強くなる。

三浦先生

Lisa L. Shu, Nina Mazar, Francesca Gino, Dan Ariely, and Max H. Bazerman (2012), Signing at the beginning makes ethics salient and decreases dishonest self-reports in comparison to signing at the end. PNAS, 109(38), 15197–15200.

ヘッドライン:申告書類のサインは申告の「前」にさせるべき!

 

担当者(末吉)コメント

末吉論文

実験1では貢献行動尺度としてボランティアへの評価を得点としたり、実験2ではより自発的な貢献行動尺度として、実験者が落としたペンを拾わせたりしているけれど、これは貢献行動なのか?ペンに大学名が記載されているとしてもそれを拾うことが組織に対する貢献になるのか。他の問題点として、筆者たちは集団同一化が高い人が、その集団が不公正な場合にその公正性を回復させようとして貢献行動が起こる、という仮説を立てたけれど、実験2の結果では同一化が低い人の方がペンを拾ってあげていたというそもそもの仮説とは反する結果に……。考察でも特に弁解なし。

 

寺島さん論文

そらそうやろ、という結果が多かった感。自信と心的距離が媒介していたって、自信がないと浮気もできないし距離が近くないとそもそも浮気にもならない。ジェンダーの効果がないのにスキャンダルが多いのは男性の方が多いのは、高地位にある女性の絶対数の少ないから!っていっても今さら感。この論文では地位の高さの影響を論じているけれど、年収を入れたら一気に消えそう、いや絶対聞いてるはず、そして消えたはず。統制にも入れていないのはおかしい。ということで、これは聞いたけど分析入れたら地位の効果が消えたので入れなかったパターンと予想。

 

田渕さん論文

誰かのために時間を使った場合、自分自身のために時間を使った場合、思いがけず自由時間が手に入った場合を比較。その結果、誰かのために時間を使うことが、人の主観的な時間を増加させていた。他人に時間を上げる→セルフエフィカシー向上→主観的時間増、という流れ。でも、他人のために時間を使っておいてその人のためにならなかった時はどうなるんだろうか。セルフエフィカシー全然上がらないだろうし。「誰かのために時間を使った時のことを書いてください」って言ったら大体は成功した場合を書くでしょう。セルフエフィカシーを上げることを第一の目的とするなら、自分に時間を使って成功させることが一番なんだろうけれど。時間を誰かにあげることでセルフエフィカシーを無駄に上げてしまうのは危険、覚えておこう……。

 

村山さん論文

高次解釈レベル条件(「健康維持、改善について、なぜそれをしなければならないか考えてください」)では、重要度(上級生に対する総合試験の設置、という話題)が高い場合に、選択肢ありの方がなしよりも総合試験に対する支持が高かった。ここはいいけれど、低次解釈レベル条件(「健康維持、改善について、どのようにそれを行うか考えてください」)では、重要度が低い場合でも差があった。なぜだ、スマートじゃない。プライミングさせる手続きが毎度のごとく……「考えなさい」と言われて考えるのか。解釈レベル理論は捜査のチェックが難しいらしい。

 

三浦先生論文

実験1では、数学パズルをどれだけ解いたか・実験参加の交通費を自己申告させ、実験2ではもっとずるを引き出すような手続き+単語パズル課題でモラルと関係のある単語完成数を検討。実験3では、アメリカの自動車保険会社の顧客対象の走行距離(オドメーター)申告書類を利用。データをただもらうってだけじゃなくて、企業に手間をかけてもらって(向こうにも利益が出るとしても)、データをとらせてもらってるからすごい。経済的な損失を伴うものなら、こんなちょっとした仕掛けで変わるんだから早く対応してくれればいいのに。「予想通りに不合理」。

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