2012.11.26

2012/11/30 2:30 に Aya Murayama が投稿
末吉さん
Chow, R. M. & Galak, J. (2012). The Effect of Inequality Frames on Support for Redistributive Tax Policies.  Psychological science, October.
保守派は富裕層に負担を求める再分配課税制度に対してネガティブな評価を下す傾向があるが、不平等表現を変えるだけでこの傾向は弱まる。

寺島君
Mulder, L. B., Verboon, P., & Cremer, D. (2009). Sanctions and moral judgments: The moderating effect of sanction  severity and trust in authorities. European Journal of Social Psychology, 39, 255-269.
加えられる制裁が厳しいほど、違反行動が倫理的に悪いという判断、違反者への社会的不承認行動を引き出すが、これは加罰者への信頼が高いときにのみ生じる。

田渕さん
Chase, C.A. 2011 An Intergenerational E-mail Pal Project on Attitudes of College Students Toward Older Adults.  Educational Gerontology, 37(1), 27-37.
eメールを用いた世代間交流を行うと、若者の高齢者イメージがポジティブになった。

村山
Oishi, S., Ishii, K., & Lun, J.  (2009).  Residential mobility and conditionality of group identification.  Journal of Experimental Social Psychology, 45, 913-919.
居住流動性の高さは、条件付きの集団同一視の程度を高めることを国家間、国家内、個人間レベルでそれぞれ明らかにした。

三浦先生
Oishi, S., Graham, J., Kesebir, S., & Galinha, I. C. (under review) Concepts of Happiness Across Time and Cultures.  Personality and Social Psychology Bulletin.
幸福が「幸運・豊かさ」を意味していた時代は1920年に終わった.少なくとも,アメリカでは.

【担当者コメント】
末吉さん論文:金持ちは中間層よりもこれだけ稼いでいる、という枠組みを与えるだけで保守派の再分配課税制度に対するネガティブな評価が緩和されるとのことだけど、この程度の操作で評価が変わるということに驚いた。負の資源を分配する時にはどのような枠組みを与えればいいのだろうかという点についてしばし議論した。

寺島君論文:3つの研究から違反行為に対して強い制裁がある方が違反者に対する厳しい倫理判断や社会的不承認を高めることが示された。最後の研究は設定が複雑で理解するのに時間がかかった。結局、制裁の厳しさと違反者に対する社会的不承認の関係は、高信頼者では倫理的判断に媒介され、低信頼者では倫理的判断の媒介効果は無いという結果が出ていた。ただ、制裁を強くしすぎると、違反者はますます違反行動に手を染めるということも分かっているらしいが、かといってそれにどう対応するべきかという点は少し微妙だという話になった。

田渕さん論文:対象となる高齢者がすでにアクティブかつポジティブである可能性が大変高く、そういう人とやり取りをすると高齢者に対するイメージはそりゃ高くなるだろう、という話になった。また、統制群を設定しているが、わりと雑な設定なのでもう少し厳密な研究計画を立てられるのではないかと思った。例えば、Eメールでやりとりされた回数や文量などを分析してもいいのではないだろうか。

村山論文:2006年は阪神タイガースは2位だったので、それ以外の年のデータでぜひやっていただきたい、という三浦先生のコメントが印象的であった(笑)すでにあるデータを上手に使うという点がやはりうまいなぁと思った。また、3つの研究の積み重ね方もお手本のようであった。文章も読みやすくHLMの記述もあるので今後英語論文を書くときの参考論文の一つとして重宝しそう。

三浦先生論文:アメリカ国内の辞書の「happy」の説明について検討した研究2では、1961年以降「古語では幸運とされていた」という記述があったというのは興味深 かった。研究3の大統領の演説に関する研究3では、第1次世界大戦以降、幸運という意味でhappyを使わなくなっており、個人のコントロール感 (happyは幸運ではなく、自分でつかみとるもの、とする考え方)を重視している傾向が見て取れた。そして、GoogleのNgramビューワすごいで す。。。




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