2012.3.26

2012/03/04 22:31 に Asako Miura が投稿   [ 2012/03/26 1:29 に更新しました ]

報告論文

  • 末吉Tigue, C. C., Borak, D. J., O’Connor, J. J. M., Schandl, C., Feinberg, D. R. (2011). Voice pitch influences voting behavior. Evolution and Human Behavior, (in press).
    よい政治家を選ぶのは人間の適応戦略の1つと言える.低い声の持ち主は好意的に評価されやすいことを実験的に検討.過去のアメリカ大統領の演説音声を高低ピッチに操作した刺激を用いた場合も,未知の第三者の声を用いた場合も,低い声への投票選好が高かった.
  • 村山:Bry, C., Treinen, E., Corneille, O., & Yzerbyt, V.  (2011).  Eye ’ m lovin ’ it ! The role of gazing awareness in mimetic desires. Journal of Experimental Social Psychology, 47(5), 987-993.
    人は他者によって注視されている物体をより好ましいと判断するようだ。そして、他者によって見られているから自分もその物体を好むという判断をしている自分にも気付いているようだ。
  • 三浦:Boase, J. & Ikeda, K. (2012). Core Discussion Networks in Japan and America. Human Communication Research, 38(1), 95–119.
    「日本人のコミュニケーションネットワークは西洋諸国のそれよりも長続きし,頻繁に接触があり,血縁+職業的な紐帯が優勢である(つまり集団主義的である)」という仮説を社会調査データによって検討すると,案外そうでもなかった.

担当者のコメント

  • 末吉報告論文の第1著者は http://www.voiceresearch.org/ というラボに所属しているが,このサイトにある声を速さを変えずにピッチだけを高低に変動させた刺激のデモがある.それぞれ聴き比べてみると確かに低い声は「いい感じ」で,高い声は「頼りなさそう」である.特に刺激が男性の声でその傾向が顕著だった.なお,やや分析方法にわかりにくい部分があり,解釈に苦労した.
  • 村山報告論文は実験社会心理学の王道という感じですんなり読めた.刺激として使われたのは「絵とそれに視線を向けている/そらしている/閉目している女性」で,女性が絵に視線を向けているということを意識していた参加者において絵に対する好意度が高まっていた.こういうときは刺激選びが肝心だが,使われていたのはMark Rothkoの抽象画.画像検索するとさもありなんである.
  • 三浦報告論文は大規模社会調査データベースを使った日米比較研究.村山さんが「この人たちのやってる回帰モデルのわりにはR^2がものすごく高いですね」と面白いところに目をつけていた.具体的には各紐帯の継続期間を従属変数とする回帰モデルでのこと.各紐帯との接触頻度ではやっぱりとっても低い値.おそらく統制変数として投入してあった年齢の影響力がかなりの部分を「食っている」のではないかと思うがいかに.
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