2012.5.28

2012/05/28 5:06 に 末吉南美 が投稿   [ 2012/06/02 14:39 に Asako Miura さんが更新しました ]
三浦先生:Piff, P. K., Stancato, D. M., Côté, S., Mendoza-denton, R., & Keltner, D. (2012). Higher social class predicts increased unethical behavior.  Proceedings of the National Academy of Sciences, 109(11), 4086-4091.
「上流階級であること」が個人の非倫理的行動を促進することが実験室実験/フィールド観察の両方で示された.かれらの非倫理的行動を促進しているのは,強欲であることに対するポジティブな態度である
 
村山さん: Nikitin, J., & Freund, A. M.  (2011).  Age and motivation predict gaze behavior for facial expressions.  Psychology and aging, 26(3), 695-700. doi:10.1037/a0023281
年をとると怒っている人の顔を見るのは嫌になるらしい
 
田渕さん: Belsky, J., Hancox, R. J., Sligo, J., & Poulton, R. (2012, March 19). Does Being an Older Parent Attenuate the Intergenerational Transmission of Parenting?  Developmental Psychology, (in press).  doi: 10.1037/a0027599

親になる年齢が,養育の世代間伝達の影響を弱める要因となることを仮定したが,世代間伝達の影響を完全に消すことはできなかった

 

寺島君: Kamas, L., Preston, A. (2012). Distributive and reciprocal fairness: What can we learn from the heterogeneity of social preferences? Journal of Economic Psychology, 33(3), 538-553.

社会的選好性のタイプによってその(経済的)行動に差異が生じるものの、どのタイプも基本的には互酬的公平性を考慮に入れた行動をとる

 

末吉: Eidelman, S., Crandall, C. S., Goodman, J. A., and Blanchar, J. C. (2012). Low-Effort Thought Promotes Political Conservatism. Personality and Social Psychology Bulletin 38(6) 808–820. DOI: 10.1177/0146167212439213.

考えの浅さ(労力を使っていない考え)が政治的保守を決定している。熟考や慎重な反応が阻害されるとき、思考過程は速く/効率的/端的になり、保守的イデオロギーを促進させるだろう

 

担当者コメント

末吉:より早い短絡的な情報処理、すなわちlow-effortな思考が政治的保守に関連している可能性を検討したもの。最初にアルコール血中濃度と政治的保守態度を測定したのが面白い。このように、初めは実地でちょっと取ってみて、それから研究室で実験し、最終的には根幹の部分を実証しようとするのが一連の流れらしい。確かに説得力はあるかも。来週も読みます。

 

寺島くん:社会的選考タイプを振り分けて、それらが互酬性課題においてどのような選択をしようとするかを検討したもの。たくさんのゲームを知れたけれど、どれも結果の提示が複雑。経済学畑の人だからでしょうか。受け取る額が高すぎると満足感が低くなっているのが、さもありなんという感じでした。

 

田渕さん:内容は、主観評価だけでなく観察/面接で頑張ったのに結局消えないのか……というものでしたが、DMHDSが凄いということを知れた論文でした。縦断調査なのにほとんど落ちないのは、おそらくそれ相応のペイがあるからだろうけども、それでも家族連れで来なければならない手間を考えるとやっぱり凄いですね、ということを議論。

 

村山さん:高齢者は若者と比較して、怒り顔を回避し幸福顔をより好んだという論文。いつも通り、そういう特性を持つ人たちがより長く生きている可能性もありますよね、という指摘。個人的には、高齢者がニュートラル/ポジティブな情報と比べネガティブな情報を覚えていない、という点に驚愕。イメージと正反対だったのですが、言われてみればその方が適応的ですものね。

 

三浦先生:資源が豊富にあり、独立性が高い状況では、上流階級民は強欲さを遺憾なく発揮し、非倫理的行動に走る、ということを実証。上流階級→とりあえず高そうな車を見た目で判断、という方法がとても面白い。いい写真です。主観的SES尺度でちゃんと測定できるのはアメリカ人くらいだろうなぁ、という指摘も。原因の考察として、親切心をどこで発揮するか(お金持ちは寄付等で親切心使い切るけど、そうでない人は倫理的行動により)というものが挙がりました。

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