2012.6.11

2012/06/11 1:11 に Megumi Tabuchi が投稿   [ 2012/06/11 1:12 に更新しました ]

報告論文

寺島君:Halevy, N., Bornstein, G., & Sagiv, L. (2008). “In-Group Love” and “Out-GroupHate” as Motives for Individual Participation in Conflict: A New Game Paradigm, Psychological Science, 19(4), 405-411.

doi: 10.1111/j.1467-9280.2008.02100.x

ヘッドライン:集団は、可能であれば外集団と競って相対的な利益を上げることよりも、内集団内部で協力して絶対的な利益を上げることを志向する。

末吉さん:Goldengerg, L., Forgas, J. P. (2012). Can happy moodreduce the just world bias? Affective influences on blaming the victim. Journal of Experimental Social Psychology, 48, 239-243.

doi:10.1016/j.jesp.2011.07.007

ヘッドライン:ポジティブ気分であれば公正世界信念が、ネガティブ気分であれば弱くなる。また、内集団に対しての方が、よりその傾向を強くしていた(内集団に対してより強く非難していた)


担当者コメント

寺島君の論文は,集団間囚人のジレンマゲーム(Intergroup Prisoner’s Dilemma (IPD) game)と集団間囚人のジレンマ・差異最大化ゲーム(Intergroup Prisoner’s Dilemma-Maximizing Difference (IPD-MD) game)との比較により,IPDではIPD-MDで認められた平和的解決をせず,競争的な行動にはしっていたと解釈していた.しかし,そもそもゲームにおける選択肢が異なるため,両者を比較して云々という考察には違和感がある.それならば,「IPDでは一見競争的な行動をとっていたが,IPD-MDの結果を見ると平和的な選択をしていたので,必ずしも競争的行動にはしるわけじゃないよ」という解釈の方が自然な気がする.さらに,事前のコミュニケーションの有無によって結果が異なっている点が面白いと思ったのに,それについてはあまり解釈がなく,残念….しかし,何らかのゲームを用いる際には明確な目的と方法論に基づいて実施しないといけないという,いい勉強になった.

末吉さんの論文は,公正世界信念における気分の影響をみたシンプルな実験計画で,非常に分かりやすかった.内集団に対してより非難が強くなる,という結果を自己防衛と絡めて解釈していたところが興味深かった.著者が書いていたように,災害など,明らかに被害者本人に責任がない場合でも,この傾向が認められるのか否かはぜひ試していただきたいところ.対象者のもとの公正世界信念を測定しておさえていないところが残念なので,そこをおさえた上でぜひ,卒論でやりましょう!卒論でやりませんか!?いいと思いますけど,このネタ!



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