2012.7.23

2012/07/24 23:31 に Megumi Tabuchi が投稿

末吉さん

Tan, H.B., Forgas, J. P. (2010). Whenhappiness makes us selfish, but sadness makes us fair: Affective influences oninterpersonal strategies in the dictator game. Journal of Experimental Social Psychology, 46(3), 571-576.

ポジ気分が利己性を,ネガ気分が公平性を上昇させていることを独裁者ゲームにて検討.この気分の効果は,他者の不公平さにさらされたとき最も大きくなっていた.

 

寺島くん

Falomir-Pichaster, J, M., Staerkle, C., Pereira, A., & Butera, F. (2012). Democracy as Justification for WagingWar: The Role of Public Support. Social Psychology and Personality Science, 3(3), 324-332

国家の軍事的侵攻の認知的正統性は,民主主義国家が非民主主義国家に侵攻するとき,かつ侵攻が民衆の支持を受けているときに最も高くなる.

 

田渕

Hess, T.M., Emery, L., & Neupert, S.D. (2012). Longitudinal relationships betweenresources, motivation, and functioning. The Journals of Gerontology, Series B: Psychological Sciences and Social Sciences, 67(3), 299–308, doi:10.1093/geronb/gbr100.

個人の健康や認知能力と,日常の認知的活動との間を,認知的活動への動機が部分的に媒介していた.

 

村山さん

Willis, M. L., Burke, D., & Al, W. E. T.  (2011).  SOCIAL JUDGMENTS ARE INFLUENCED BY BOTH FACIALEXPRESSION AND DIRECTION OF EYE GAZE, Social Cognition, 29(4), 415-429.

表情に対する社会的判断はその種類によって当然異なるが,怒り,喜び,真顔については目線が調整効果を有することがわかった.

 

三浦先生

Baruah, J., & Paulus, P. B. (2011). Category assignment and relatedness in the group ideation process. Journal of Experimental Social Psychology, 47(6), 1070-1077. Elsevier B.V. doi:10.1016/j.jesp.2011.04.007

集団による創造的アイディア生成の際は,当初に全員が取り組むべき問題の同じ要素に同時に注目する方が,それぞれバラバラな要素に注目するよりもおおむね量/質パフォーマンスがよい.

 

担当者のコメント

末吉さんの論文は,利己性や公平性における気分状態の効果を見た研究で,そこに不公平さという要因を入れている.理論自体はシンプルで分かりやすいので,他の実験の枠組み,あるいは対象を変えた実験でも試してみたらいいのではないかと思った.それにしても,映像を用いた気分操作がここまでしっかりきいてくるとは!いつもながらに驚いた.

 

寺島くんの論文は,民衆の支持を受けた民主主義国家が,侵略を行う際に正当性が増すことをシナリオ実験的に示した研究.結果の解釈が難しく,この結果から民主主義が正当性を獲得しやすい危険性までを述べるのはやや離れすぎかという印象だった.スイスでこの実験を行ったというのはひとつの要因が統制されていていいのかもしれないが,著者らの最初の立場や,理論の結論付け方の方向性が見えにくいなぁ…という印象.

 

田渕論文は,認知機能と日常活動の間を,活動への動機が媒介していることを示した研究.話自体はシンプルだが,何よりも「マルチレベル」の分析方法が気になって読んでみた.これは自分のデータでもかなり使えそう,ということで,ぜひ勉強したいと思う.村山さん,またいろいろ教えていただければ嬉しいです.

 

村山さんの論文は,表情が接近可能性と信頼性に及ぼす影響,そして目線が表情判断の調節効果として働くことを示した研究.6種類もの感情表情を用いているので結果の統一性がやや欠けるが,目線の影響を調べている点など興味深い.何よりも,この刺激,そしてこのシナリオが相当すごい.この怒り顔で「写真を撮りましょう」と迫られたら,ぼんやりしている私でもさすがに逃げます.

 

三浦先生の論文は,初めに全員でテーマに関する情報,特に関連性が比較的低いテーマを共有した上で,自分たちが取り組むテーマについて議論した方が,よりよいパフォーマンスが得られるという研究.多人数による話し合いでいかに効率良くよりよいものを生み出せるか,ということを実験的に示しており,多くの場面で応用できる研究だと思った.シニアグループのワークショップにもさっそく応用してみようと思う.

 

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