2013/12/2

2013/12/02 0:51 に Megumi Tabuchi が投稿

【末吉さん】

Barber, S. J., Mather, M. (2013). StereotypeThreat Can Both Enhance and Impair Older Adults’ Memory. Psychological Science, XX(X).

ヘッドライン:「高齢者は記憶力悪いよね」ステレオタイプにさらされると,促進焦点の時はWMタスク成績が下がり,予防焦点の時は上がる.

【寺島君】

Mascaro, O., & Csibra, G. (in press). Human Infants’ Learning of Social Structures: The Case of Dominance Hierarchy. Psychological Science, published online before print November 12.

ヘッドライン:幼児は2者関係を組み合わせること、構造の形への期待を持つことにより、複雑な優位構造を理解しようとする。

【田渕】

Hehman, J. A., & Corpuz, R., & Bugental, D. (2012) PatronizingSpeech to Older Adults. Journal of Nonverbal Behavior, 36:249–261. DOI 10.1007/s10919-012-0135-8

ヘッドライン:あまり高齢者に接していない人は、高齢者に対して、声が高くなる・強くなるという「エイジズム」的なしゃべり方をしている。

【村山さん】

Bullens, L., van Harreveld, F., Förster, J., & van der Pligt, J.  (2013).  Reversible decisions: The grass isn’t merely greener on the other side;it's also very brown over here.   Journal of Experimental Social Psychology, 49(6), 1093–1099. doi:10.1016/j.jesp.2013.07.011

ヘッドライン:取り消し不可能な判断をしたほうが満足度が高いのは、選択した判断のポジティブな側面により注目するから。


担当者コメント

【末吉さん論文】

ステレオタイプ脅威にさらされると予防焦点になるので,「損失」を避けるための課題では成績が良くなるという研究。認知検査で加算式じゃなく減点式にして,しかも最初に「加齢に伴う認知機能の低下」グラフなんかを見せて検査すれば,得点が変わる可能性もあるということではなかろうか。ステレオタイプ脅威に晒すことがメリットになりうるという視点が面白く,さっそくりんろうのみなさんにご紹介。

【寺島君論文】

複雑な優位構造を幼児でも理解しようとしているが,非連続的な呈示や循環的な複雑さを持つ構造の理解は遅れる,という研究。これは幼児特有の理解の仕方を示したというよりは,幼児段階でもその傾向がある,ということを示したもの。優位構造の理解は生き残るために必要な能力なので,かなり初期段階から習得されるというのが面白いです。逆に衰えるのはいつごろからで,どんな影響があるんでしょう・・

【田渕論文】

高齢者に対して「見下してる」っぽいしゃべり方をするか否かは,今まで見知らぬ高齢者と接してきたか否かによる,ということを,実際の音声データ分析によって示した研究。「エイジズム」の極端な考え方や,「声が高い・強い=見下し」と断定するのはいかがなものかと思いますが,音声データを実際に分析するのは面白いです。同じ方法で去年の実験でもできそう。この雑誌面白いです。

【村山さん論文】

取り消し不可能な場合の方が,取り消し可能な場合よりも自分の選んだ選択肢への魅力が増すというGilbert (2002)の研究の背景プロセスを明らかにした研究。取り消し可能な条件では認知的不協和は生じないというのが面白いです。日常生活のいろいろな意思決定場面,選択場面で応用できそうな気がしました。あと個人的には加齢の影響があって,高齢者の方が「取り消し不可能場面での自己判断への過剰信頼」が起こりそうな気がします。

 

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