2013/9/30

2013/09/30 1:55 に kei terashima が投稿
【末吉さん】
Ames, D. L., Fiske, S. T. (2013). Intentional Harms Are Worse, Even When They’re Not. Psychological Science, 24(9), 1755-1762.
ヘッドライン:悪い出来事における被害の大きさについて、その出来事が意図的に起こされた時、意図されず起こった時よりも大きく見積もられる。実験1-3は人災(意図あり)vs人災(意図なし)。実験45は人災(意図あり)vs天災(意図なし)

【寺島】
Weisbuch, M., Slepian, M. L., Eccleston, C. P., & Ambady, N. (in press). Nonverbal Expressions of Status and System Legitimacy: An Interactive Influence on Race Bias. Psychological Science, published online before print September 20.
ヘッドライン:現状を正当化する人は、地位と一致した非言語行動をとる人種を好ましく思う。

【田渕さん】
Gordon, A. M., Impett, E. A., & Kogan, A., Oveis, C., & Keltner, D. (2012). To Have and to Hold: Gratitude Promotes Relationship Maintenance in Intimate Bonds. Journal of Personality and Social Psychology, 103(2), 257–274.
ヘッドライン:パートナーに感謝することが関係維持につながる

【村山さん】
Henderson, M. D. (2013). When seeing the forest reduces the need for trees: the role of construal level in attraction to choice. Journal of Experimental Social Psychology, 49(4), 676–683. 
ヘッドライン:高次解釈は一般的な傾向である選択肢の多さに対する魅力を低減させる。

【三浦先生】
Tanaka, A., Koizumi, A., Imai, H., Hiramatsu, E., & Gelder, B. de (2010). I Feel Your Voice: Cultural Differences in the Multisensory Perception of Emotion. Psychological Science, 21(9), 1259–1262.
ヘッドライン:頼むから満面笑みアイコンで不快感情を伝えるのはやめろ(論文とは直接関係ありません)

担当者コメント

【末吉さん論文】
災害や天災などの被害の大きさが、その出来事が意図的なものであった場合、そうでない場合よりも大きく見積もられるという研究。特に研究4,5の、出来事が意図的かそうでないかで被害額の計算結果が異なる、という発想・知見は面白い。震災後の放射能被害の見積もりなんかにも、同じようなことが言えそう。裁判員の量刑判断など、応用範囲は広そうだねという話に。

【寺島論文】
ある人種集団の成員がその人種の地位と一致した非言語表現を示すとき、システム正当化傾向を示す人ではその人種への選好が高まるということを、白人と黒人との対比から検討。言いたいことは分かるんだけど、人種に言及した項目で測定されたシステム正当化傾向を使ったらそりゃそうなるんじゃないか、という疑問が。人種をシステムとして考える発想は日本人には無いし、そもそもそう捉えてしまっていいものだろうか。

【田渕さん論文】
他者から感謝されることだけでなく、それによってこちらも感謝を示すことで、他者との関係が維持されるという研究。理論からモデルを立てそれをかっちり検証するという、JPSPらしい感じの論文。感謝表出に関する研究が少ないのは、そもそも感謝は複雑な感情であり、その表出を測定するのが難しいからでは、という話に。関係性が予期できない状況では可能かも?とりあえず、感謝を表出するように頑張ります。

【村山さん論文】
高次の解釈がものごとの類似性に注目を促しオプションを冗長に感じさせることで、選択肢の多さへの魅力を低減させることを検討した論文。調査による個人差の検討、プライミングによる実験的な操作、媒介変数の検討という、王道をいく研究だった。それにしてもいつものごとく、プライミングが効く理由がよく分からない。解釈レベルの個人差の効果を検討していながら、プライミングを使った実験では個人差を統制していないという点は気になる。

【三浦先生論文】
日本人とオランダ人で、多感覚情動知覚(聴覚:声/視覚:表情)の文化差を調べた研究。日本人は声の情報を無視して顔の情動をより正確に判断できていたが、顔の情報を無視して声の情動を判断するときにはオランダ人の方が正確だった。ただ、表情の情動が怒り/幸せのみ、ニュートラル表情が無いなど、問題点も。表情と声が不一致の刺激を呈示するなど、脳波の測定と相性が良さそうだという話に。
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