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2014/06/08 2:22 に kei terashima が投稿   [ 2014/06/11 21:47 に更新しました ]
【中村さん】
Goldrick, M., Runnqvist, E., & Costa, A. (2014). Language Switching Makes Pronouncing Less Nativelike. Psychological Science, 25, 1031-1036.
母国語の辞書アクセスが活性化するため、マルチリンガルでも母国語のアクセントに近くなる。

【寺島】

Simpson, B., Harrell, A., & Willer, R. (2013). Hidden Paths from Morality to Cooperation: Moral Judgments PromoteTrust and Trustworthiness. Social Forces, 91(4), 1529-1548.

道徳的判断をすると自身を道徳的だと思い、また他の人にもそう思われる。


【末吉さん】

Callan, M. J., Dawtry, R. J., & Olson, J. M. (2012). Justice motive effects in ageism: The effects of a victim's age on observer perceptionsof injustice and punishment judgments. Journal of Experimental Social Psychology, 48, 1343-1349.

被害者が高齢者(vs若者)だと,加害者への罰が軽くなる.高齢者の苦難に対する不公正性が媒介.


【村山さん】
Matovic, D., Koch, A. S., & Forgas, J. P. (2014). Cannegative mood improve language understanding? Affective influences on theability to detect ambiguous communication. Journal of Experimental Social Psychology, 52, 44–49.
ネガティブな気分は言語的理解を改善させる。

【三浦先生】
Gino, F., & Wiltermuth, S. S. (2014). Evil Genius?How Dishonesty Can Lead to Greater Creativity. Psychological Science, 25(4), 973 –981.
アリエリーさんたちの実験はとても発想が豊かで面白いよね.きっとみんな横紙破りな連中なんだろうなw


◆担当者コメント◆

【中村さん】
マルチリンガルの非母国語のアクセントが、別の言語の影響を受けることを示した論文。特に発音過程の難しさという観点から検討した結果、有声子音、無声子音いずれにおいても英語のアクセントがスペイン語のアクセントの影響を受けていた。この効果は語源が異なる単語では見られなかったが、いかんせん従属変数のVOT(有声開始時間;声を出すまでの時間)が何を示すのかがよく分からず…。被験者は子供のころから第二言語を学習していたということで、日本語で考えてから英語を話すレベルの話者では検討できないかも、という話に。

【寺島】
道徳的判断が自身の道徳性認知を上昇させ、他者に信頼を向けるような行動をとらせ、また他者からは道徳的判断者に道徳性、信頼感が抱かれる、ということを検討。Social Forcesという(多分)社会学系の雑誌掲載で、話自体はどこかにありそうな感じ。道徳にかかわる意思決定ではなくて、ある事柄への道徳的な判断そのものが信頼に影響する、というあまり直観的ではない点に目を向けたところが新しいのだろうか。

【末吉さん】
高齢者の苦難は(若者に比べ)不公正さを低く見積もられ、加害者への罰要求が軽くなるという研究。年齢と罰要求の関係は不公正さの認知に媒介されていたが、これはエイジズム(高齢者差別)の強いときにのみ見られた。人種差別や男女差別でも同様の結果がみられるのかが気になった。高齢者特有の現象、ではなさそう。エイジズムを、医療予算の削減に際して老人医科をどの程度優先するのか、という形で尋ねていたが、ユニークな方法だった。

【村山さん】
ネガティブ気分があいまいな文章の理解を促進することを示した論文。ネガティブ気分が調節的な情報処理を導くことによる効果だ、という説明。たしかにポジティブ気分の状態では、文章の詳細は置いておいてとりあえず読み進める、ということをしてしまうように思う。ただ発表にもあったように、これがコミュニケーションにおける曖昧さの検出のトレーニングに役立つと言えるかもしれないが、ネガティブ気分を導入し続けることによる別の問題が発生しそうではある。

【三浦先生】
不正直さが創造性を高めることを実験的に検証。不正直さによる「ルールにしばられない感覚」が媒介、および調整していた。いくつもの、不正直な行動をとりうるゲームを用いて検証しており、よくこんなに多種多様なゲームが思いつくものだと思った。ただ、研究などのより複雑な場面では「何がルールであるか」を知らなければそれを破るということすら出来ないので、「型破り」という言葉はまさにその通りなのだなと感じた。

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