moved‎ > ‎

輪読ゼミ2013まとめサイト

2013.4~2014.3に大学院輪読ゼミ(月曜午後)で報告した論文の書誌情報をカテゴリ別にざっくり整理し,Abstract日本語訳を付しました.主に自分の情報整理作業のためのものであり,公開するのはその作業をなるべくいい加減にやらないようにする自分のための足かせです.内容に誤りはないと思いますが, 正確な情報は原文をご確認下さい. 書誌情報のうち特にdoiあたりはあったりなかったりです.

他のメンバーのまとめもご参照ください.

アバターを使ったゲームをするとアバターの役柄が実際の行動に伝染する.プライミングは効かない.

2014/03/30 4:42 に Asako Miura が投稿   [ 2014/03/30 4:43 に更新しました ]

Yoon, G. & Vargas, P. T. (2014). Know Thy Avatar: The Unintended Effect of Virtual-Self Representation on Behavior. Psychological Science, first published on February 5, 2014. 

バーチャルゲームでアバターを使ってプレイすることで,人はスーパーヒーローにも大悪党にもなれる.Banduraの社会的学習理論やBemの自己知覚理論から考えれば,そういう役として振る舞うことで人は現実世界における新たな行動を学習しうる.つまりアバターとして振る舞うことは「観察→模倣→モデリング」の過程を走る乗り物となるのではないか.とすれば,スーパーヒーローとして振る舞うことは後続の日常的な行動場面において善行を,大悪党として振る舞うことは不埒な悪行三昧を引き出すのではなかろうか.というわけで実験してみた.思った通りだった.

統計リテラシーを高めるためのハウツーガイド

2014/03/30 4:41 に Asako Miura が投稿

Chew, P. K. H., & Dillon, D. B. (2014). Statistics Anxiety Update: Refining the Construct and Recommendations for a New Research Agenda. Perspectives on Psychological Science, 9, 196-208.

民主主義国家の市民にとっての統計リテラシーの重要性は強く認識されており,大学生たちが必修科目として課せられる統計関連科目は増加の一途を辿っている.しかし不幸にして,実証的知見が示唆しているのは,非数学的な(たとえば社会科学)領域における統計関連科目はもっとも学生たちの不安をあおる科目と化しているということである.統計不安に関する文献レビューは10年以上前のものしかなく,より新しい知見を考慮する必要がある.本論文では,現在の統計不安研究をレビューする.特に,統計不安の構成概念を精緻化するという目的のもと,関連する諸変数,定義,測定尺度を検討した.統計を教える講師や新しい研究テーマの参考となるような前提条件,効果,介入についても検討した.

おもろかわいい動画は拡散する.敵からの腹立たしい動画も拡散する

2014/03/30 4:39 に Asako Miura が投稿

Guadagno, R. E., Rempala, D. M., Murphy, S., & Okdie, B. M. (2013). What makes a video go viral? An analysis of emotional contagion and Internet memes. Computers in Human Behavior, 29, 2312-2319.

多くのネット動画が陽の目を見ない中で,何百万ビューも達成するものはなぜそんなに視聴数を集めるのだろうか.この疑問はまだ実証的に検証されていない.われわれは,この問題について,ネット動画に対する情動反応を確認し,その根底にあるメカニズムを探ることによって,ネット動画が拡散する可能性に対する情動反応と動画ソースの役割を検証することによって取り組んだ.(スゴイ英語なので敢えて直訳した) 動画に対する強い感情反応を報告した個人はその動画を拡散させようとする意図もより強かった.ソースの役割については,怒りを生む動画は転送されやすかったが,それは外集団成員による動画の場合だけであった.これらの結果を,情動伝染,社会的影響,オンライン行動にもとづいて議論した.

ツイートからパーソナリティを推測できる…手がかりはなくはない

2014/03/30 4:37 に Asako Miura が投稿

Qiu, L., Lin, H., Ramsay, J., & Yang, F. (2012). You are what you tweet: Personality expression and perception on Twitter. Journal of Research in Personality, 46, 710–718.

ツイッターのようなマイクロブログサービスは近年どんどん普及してきたが,その中で利用者のパーソナリティがどう表出しどう認知されているかはほとんど知られていない.本研究では142名の参加者のビッグファイブを測定し,ツイートを1ヶ月にわたって収集した.外向性,調和性,開放性,神経症傾向は特定の言語マーカーと関連しており,マイクロブログでパーソナリティが表出されていることが示唆された.また,8名の観察者がツイートに基づいて参加者のパーソナリティを評定したところ,観察者は特定の言語的手がかりに依拠して判断しており,正確に判定できたのは調和性と神経症傾向のみであった.本研究は自然言語場面におけるパーソナリティの表出について新たな実証的知見を提供し,パーソナリティ研究にソーシャルメディアを利用することの可能性を示すものである.

人間は,午前中はいい人でも,午後には悪者になる.

2014/03/30 4:35 に Asako Miura が投稿

Kouchaki, M., & Smith, I. H. (2014). The morning morality effect: The influence of time of day on unethical behavior. Psychological Science25, 95-102.

人は午後より午前により道徳的か? われわれは,日常生活に関連するごくふつうの平凡な経験が道徳的誘惑への抵抗力を消耗させうることを示す.一連の4つの実験で,アメリカの大学生と成人サンプルの両方が午後よりも午前の課題において非倫理的行動(嘘をつく,ずるをするなど)が少なかった.この「morning morality効果」を午後になると生じる道徳意識や自己統制の低下が仲介していた.さらに非倫理的行動に対する時刻の効果はmorally disengage(非倫理的行動をすることに痛痒を感じない)傾向の低い人々において強かった.こうした知見は単純だが説得的な要因(すなわち時刻)が道徳的行動に重要な影響をもたらすことに光を当てるものである.

マイクロブログへの投稿の評判(RT/コメント)はその投稿の文脈より内容で決まる

2013/12/15 17:28 に Asako Miura が投稿

Zhang, L., Peng, T. Q., Zhang, Y. P., Wang, X. H., & Zhu, J. J. (2014). Content or context: Which matters more in information processing on microblogging sites. Computers in Human Behavior, 31, 242-249.

本研究は,情報処理のヒューリスティック-システマティックモデルに基づいた枠組みで,マイクロブログへの投稿の「人気」に関する内容・文脈要因の効果を検証した.投稿の「評判」は,情報を処理したユーザの行動的アウトプットであるツイート回数とコメント数を指標とした.利用者の多い中国のマイクロブログサイトからランダムに抽出された10000件の投稿を対象とした.分析の結果,内容要因が文脈要因を大きく上回る分散説明力を持っており,ユーザはどちらかというとシステマティックな方略を用いていることが示唆された.我々の知見は,リツイートとコメントはマイクロブログにおける行動としてはっきり異なるタイプのものであることを含意している.リツイートは情報を広めることを狙うものであり,そこでは情報源としての信頼性や投稿の情報価が重要な役割を果たす一方,コメントは社会的相互作用や会話を際立たせるもので,そこではユーザの経験や投稿が扱っている話題かがより重要である.

宗教心は人を幸福にさせる.宗教は人を直感的思考にさせ,また人間関係を充実させるからだ

2013/12/15 17:26 に Asako Miura が投稿

Ritter, R. S., Preston, J. L., & Hernandez, I. (2013). Happy Tweets: Christians Are Happier, More Socially Connected, and Less Analytical Than Atheists on Twitter. Social Psychological and Personality Science.

キリスト教徒と無神論者の自然言語の差異を検討するために16000名以上の200万件のツイートデータを分析した.キリスト教徒は無神論者よりもポジティブ感情語が多く,ネガティブ感情語が少なかった.さらに,幸福の表出の差異を2つの独立したパス(直感的(vs 分析的)思考スタイルに関連する単語の出現頻度と社会的関係に関連する単語の出現頻度)が予測していた.これらの知見は宗教と幸福の関連が部分的に思考スタイルに仲介されることを初めて示したものである.また,本研究は,社会的結びつきが宗教と幸福の関係を部分的に仲介することを示唆したこれまでの実験室研究と自己報告によるデータを支持するものでもある.理論への含意と,社会科学においてソーシャルメディアを分析する際に計算機的方法を用いることの将来性について議論した.

MTurkは,きちんとスクリーニングをし,ネットの向こう側にいる人がどういう環境で回答しているかに思いを馳せて使いなさい

2013/11/18 18:00 に Asako Miura が投稿   [ 2014/06/08 19:04 に更新しました ]

Goodman, J. K., Cryder, C. E., & Cheema, A. (2013). Data Collection in a Flat World: The Strengths and Weaknesses of Mechanical Turk Samples. Journal of Behavioral Decision Making, 26, 213-224. doi: 0.1002/bdm.1753.

「機械仕掛けのトルコ人(MTurk)」はAmazon.comが運営するオンライン労働システムで,素早く簡単に安価でオンライン研究参加者を供給してくれる.MTruk利用の拡大に伴い,研究者たちから信頼性や報酬の低さに疑義が呈されるようになってきた.本論文では,MTurkを用いた最近の研究をレビューし,一連のパーソナリティ次元や古典的な意思決定バイアスについてMTurk参加者とコミュニティ/学生サンプルを比較した.2つの研究から,MTurk参加者と伝統的なサンプルの間には多くの類似性が認められたが,重要な違いも見いだされた.例えば,MTurk参加者は実験材料に注意を払いにくく,検定力が減じていた.彼らはインターネットを使って答を探そうとしやすく,その傾向は正答に特段のインセンティブがない場合でも同様だった.MTurk参加者の金銭に対する態度はコミュニティサンプルとは異なっていたが学生サンプルとは変わらなかった.最後に,MTurk参加者は他のサンプルよりも外向性や自尊心が低く,いろいろな研究に積極的に参加しようとする傾向が強かった.こうした違いはあるものの,MTurk参加者は標準的な意思決定バイアスと一貫した信頼できる結果―利得についてはリスク回避,損失についてはリスク追求,遅延/促進の非対称性,確実性効果といったバイアス―を示していたし,効果サイズは他のサンプルと有意差がなかった.結論として,MTurkはデータ収集に際して価値の高い機会を提供するものであり,利用する研究者には,(1)注意や言語理解力を測定するスクリーニング設問を含む,(2)事実回答をさせる質問を避ける,(3)社会経済状況の個人差が結果に影響する程度を考慮する,ことが推奨される.

収入が不平等な環境は一般的信頼性を低下させ,そのことが学問的不正行為を増加させる

2013/11/10 14:55 に Asako Miura が投稿   [ 2013/11/10 14:57 に更新しました ]


経済的不平等は学問における誠実さにどのような効果を持つだろうか.2003~2011年のGoogle検索クエリデータと,収入の不平等性と一般的信頼に関する州レベルの尺度データを用いて,学問的に不正直な(期末レポート「製造」やカンニングに役立つ情報の)検索は,収入の不平等性が高く,一般的信頼が低い州でよく行われていることを見いだした.これらの関係は,文脈的な変数(一人あたりの平均収入や大学数など)を統制しても維持された.収入の不平等性と学問的な不正直さの関係は,一般的信頼によって完全に仲介されていた.経済的不平等性が高いと,人々は互いを信頼に足る存在であると見なさなくなりやすい.そして,この一般的信頼の低下が,学問的に不正直な行為を増やすことにつながる.この結果はHonor codeの効果に関する先行研究の知見を説明する可能性がある.

頼むから満面笑みアイコンで不快感情を伝えるのはやめろ(論文とは直接関係ありません)

2013/09/09 15:55 に Asako Miura が投稿

Tanaka, A., Koizumi, A., Imai, H., Hiramatsu, E., & Gelder, B. de (2010). I Feel Your Voice: Cultural Differences in the Multisensory Perception of Emotion. Psychological Science, 21(9), 1259–1262. doi: 10.1177/0956797610380698

情動知覚に関する文化差は主に顔面表情について報告されることが多く,言語表現についてはあまりなかった.しかし知覚者が聴覚/視覚手がかりを結びつける方法には文化的多様性の影響を受けている可能性がある.われわれの研究は日本人とオランダ人参加者の情動の多感覚知覚の文化差を検討したものである.各試行では,情動と一致/不一致なことを表現している顔と声が呈示され,参加者は2つのうち1つのソースで表現されている情動を判断する(もう片方は無視する)よう求められた.顔の判断で声情報が無視される効果はオランダ人より日本人参加者において大きく,一方で声の判断で顔情報が無視される効果はオランダ人より日本人参加者において小さかった.この結果は,日本人は多感覚情動知覚において音声処理を調節する傾向がオランダ人より強いことを示している.われわれの知見は,感情情報の多感覚調整が知覚者の文化的背景によって調節されていることを示す最初の証拠である.

1-10 of 17