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輪読ゼミ2014まとめサイト

2014.4~2015.3に大学院輪読ゼミ(月曜午後)で報告した論文について,Abstract日本語訳を付したものです.主に自分の情報整理作業のためのものであり,公開するのはその作業をなるべくいい加減にやらないようにする自分のための足かせです.内容に誤りはないと思いますが, 正確な情報は原文をご確認下さい. 書誌情報のうち特にdoiあたりはあったりなかったりです.

他のメンバーのまとめもご参照ください.

              自尊心は聞き方次第で変わるかも

              2015/03/26 22:18 に Asako Miura が投稿

              Holtgraves, T. (in press). I think I am doing great but I feel pretty bad about it: Affective vs. cognitive verbs and self-reports. Personality and Social Psychology Bulletin. Published online before print March 4, 2015, doi: 10.1177/0146167215574269

              自己報告項目への回答に際して認知動詞(think)か感情動詞(feel)がもつ効果を検証する4つの実験を行った.参加者のオープンエンドな自己記述回答は「感情」プロンプトの時に「思考」プロンプトの時よりもネガティブだった(実験1と2).この効果は続けて問うた自尊心得点にも及んでいた(実験2).Rosenbergの自尊心尺度の「feel」を「think」に差し替えると,女性において得点が有意に高かった(実験3と4).どんな言葉を選択したかというちょっとした違いが自己報告項目への回答に及ぼす影響を示したものである.

              結果が出なかった研究を論文にするモティベーションってなんだろう.

              2015/03/26 22:18 に Asako Miura が投稿

              Franco, A., Malhotra, N., & Simonovits, G. (2014). Publication bias in the social sciences: Unlocking the file drawer. Science, 345(6203), 1502-1505.

              実施された研究に関するよく知られた母集団を対象とした分析によって出版バイアスを研究した.母集団となった研究は全部で221あり,出版の有無がはっきり分かる.全米科学財団(NSF)がスポンサーとなっているTESS(Time-sharing Experiments in the Social Sciences)プログラム(アメリカの成人の代表性の高いサンプルを対象にサーベイベースの実験を行う研究を対象とした研究支援制度)を活用してデータを収集した.TESSへのプロポーザルは厳格なピアレビューを経ているので,サンプルとなった諸研究は一定以上の高い水準の質を有しているはずである.強い結果を得た研究は結果の出なかった研究より40%ポイントほど出版されやすく,きちんとしたかたちでまとめられる傾向が60%ポイントほど高かった.これらは出版バイアスの存在を示す直接的な証拠であり,研究生産のどのステージでそれが生じるのかを特定したものである.著者らは「結果が出なかった」らそれらをまとめたり投稿したりしないのである.

              ジェンダーギャップがなくなることは男女それぞれにとってよいことだ!

              2015/03/26 22:17 に Asako Miura が投稿

              Berdahl, J. L., Uhlmann, E. L., & Bai, F. (2015). Win–win: Female and male athletes from more gender equal nations perform better in international sports competitions. Journal of Experimental Social Psychology, 56, 1-3.

              本研究は,社会におけるジェンダーの平等の増大が女性のみならず男性の潜在能力を開花させるという証拠を初めて提出するものである.われわれの研究の舞台はオリンピックゲームであり,そこは世界で一番のスポーツ競技会であると同時に男女のパフォーマンスが完全に分離して実施されなおかつ最上級のレベルで客観的に測定できる場でもある.潜在的な第三変数(GDP,人口,地理的緯度,収入の不平等性)を統制しても,ジェンダーの平等が国家レベルで高い国の選手の方が,男女ともにより多くのメダル獲得に成功していた.こうした知見は世間でよく言う「様々な機会へのアクセスは女性のみがゲインを得るようなゼロサムゲームであり,必然的な結果として男性は損失を被る」という信念に反するものである.むしろ,ジェンダーの平等は,両性を自分たちの真の潜在能力に目覚めさせる「ウィン-ウィン」をもたらすものなのである.

              周囲から誠実性が低いと思われている人は,早死にします.

              2015/03/26 22:15 に Asako Miura が投稿

              Jackson, J. J., Connolly, J. J., Garrison, S. M., Leveille, M. M., & Connolly, S. L. (2015). Your Friends Know How Long You Will Live A 75-Year Study of Peer-Rated Personality Traits. Psychological Science, 0956797614561800.

              自己評定によるパーソナリティ特性は死亡リスクを予測するが,友人によって知覚されるパーソナリティ特性でも同様の予測が可能かどうかを検証した研究はない.観察者の報告が(自己報告と比較して)長寿かつ健康な人生につながる個人の特徴についてよりよい,あるいは独自の情報を提供するかどうかも定かではない.そこで本研究では,パーソナリティに関する友人の報告が死亡リスクを予測するかどうかを検証するため,75年間にわたる縦断研究(パーソナリティとエイジングに関するケリー/コノリー縦断調査)のデータを用いた.当該研究では,600名の参加者が1935年から1938年にかけて(彼らが20代半ばの頃)に観察され始め,2013年まで継続している.男性参加者は,友人から誠実で開放的だと評価されている人の方が長生きで,女性については情緒的に安定していて調和性が高いとの評価が長生きと関連していた.自己報告よりも友人の評定によるパーソナリティの方が長寿のよい予測子であり,それは(少なくとも部分的には)友人の評定は集約的であるがゆえにより信頼性の高いアセスメントを提供しているからであると考えられた.本研究の結果は,健康に関する研究での観察者による報告の有用性を示すものであり,パーソナリティ特性が健康に及ぼす影響を考える際に洞察を与えるものである.

              他者の性格判断は,知り合いがするよりFacebookの「いいね!」にもとづくものの方が正確

              2015/03/26 22:15 に Asako Miura が投稿

              Youyou, W., Kosinski, M., & Stillwell, D. (2015). Computer-based personality judgments are more accurate than those made by humans. Proceedings of the National Academy of Sciences, 201418680.

              パーソナリティは人々のインタラクション,行動,情動の背後にある重要な動因なので,他者のパーソナリティ判断は社会生活を成功させるために磨くべきスキルである.正確なパーソナリティ判断は社会認知的スキルに由来するものであるが,機械学習の発展によりコンピュータモデルも妥当な判断を下せるようになっている.本研究では,86220名のボランティアが100項目のパーソナリティ質問紙に回答した結果を用いて,パーソナリティ判断を人とコンピュータで比較した.分析の結果,(1)一般的なデジタル「足跡」(FBの「いいね!」)にもとづくコンピュータの予測(r=0.56)の方が対象者のFBフレンドによる質問紙回答に基づく予測(r=0.49)よりも正確,(2)コンピュータモデルの方が判断間の一致度が高い,(3)コンピュータによるパーソナリティ判断は,物質使用や政治的態度,身体的健康といった生活に関わる結果変数を予測する際に外的妥当性が高く,時に自己評価よりも高い,ことが示された.パーソナリティ判断においてコンピュータが人に優ることは,これを心理的アセスメントやマーケティング,プライバシーなどの領域において「使える」機会や挑戦があることを示している.

              高齢者との接触を想像しただけで加齢に対する不安が下がり,それにより加齢への期待が増す.ただし男性に限る.

              2015/03/26 22:10 に Asako Miura が投稿

              Prior, K., & Sargent-Cox, K. A. (2014). Students' expectations of ageing: An evaluation of the impact of imaginedintergenerational contact and the mediating role of ageing anxiety. Journal of Experimental Social Psychology, 55, 99-104.

              高齢者に対するポジティブな態度や加齢過程への期待は健康的な加齢に対する重要な動機とみなされてきた.本研究では,高齢者への態度を変容させるために使われていた方法を用いて,高齢者への接触を想像することが加齢への期待と加齢不安に及ぼす影響を検討した.201名の学部生が3つの条件:(1)75歳男性との接触を想像,(2)75歳女性との接触を想像,(3)統制群(楽しいアウトドアシーンを想像),のいずれかにランダムに割り当てられた.男性参加者では,介入直後も4週間後のフォローアップの両方において,高齢者男女との接触を想像することが統制群よりも加齢への期待をよりポジティブなものにしていた.女性ではこうした結果は見られなかった.男性参加者の場合は,世代間接触を想像することと加齢への期待の関係が加齢に対する不安によって媒介されており,世代間接触の想像が加齢に対する不安を低減させることで有意にポジティブな期待をもつようになっていた.女性参加者ではこうした間接効果は見られなかった.総じて,直接接触が難しい場合は接触を想像することも結構使えるよ,と言える.

              (オンライン)調査における不注意回答傾向に関する金字塔的研究

              2015/03/26 22:08 に Asako Miura が投稿   [ 2015/03/29 2:48 に更新しました ]

              2014年度に読んだ論文:ベスト1

              Maniaci, M. R., & Rogge, R. D. (2014). Caring about carelessness: Participant inattention and its effects on research. Journal of Research in Personality, 48, 61-83. 

              本研究は,不注意回答が研究課題やデータの質,相関分析,実験操作,そして検定力の維持に及ぼす悪影響を検証した.結果が示唆したのは,3~9%の回答者がとても不注意な回答をしていることで,既存の指標と新しい不注意測定尺度(Attentive Reponding ScaleとDirected Questions Scale)の両方において先行研究と一貫した潜在クラスを構成していた.また,不注意な回答者の自己報告データはきわめて質が悪く,実験操作の効果や重要な回帰分析の結果を曖昧にさせるに十分であった.不注意回答者を除外することによって,検定力は向上し,不注意が原因の効果サイズの落ち込みを緩和することができる.

              やっぱり会って話さないと空気を読む力は養えないのかもしれません.

              2015/03/26 22:07 に Asako Miura が投稿

              Uhls, Y. T., Michikyan, M., Morris, J., Garcia, D., Small, G. W., Zgourou, E., & Greenfield, P. M. (2014). Five days at outdoor education camp without screens improves preteen skills with nonverbal emotion cues. Computers in Human Behavior, 39, 387-392.

              ティーン以前のこどもたちにおいて画面ベースのメディアとコミュニケーションツールを排除し,対面相互作用の機会を増加させることが,非言語的な情緒的手がかりの認知を高めるかどうかを検証するフィールド実験を行った.51名の思春期前の子どもたちが,テレビ・コンピュータ・携帯電話の使用が許されない環境で5日間にわたるネイチャーキャンプに参加し,かれらと普通に学校に通いふだんどおりメディアを利用した統制群(n=54)を比較した.実験前後に言語的手がかりを除去した表情写真と動画を見て情動状態を推測させるテストを実施した.性別,民族,メディア利用,年齢を共分散として2グループの得点変化を比較したところ,キャンプ群の子どもたちの非言語的な情動手がかりの認知が統制群より有意に向上しており,写真か動画かによる違いもなかった.社会的相互作用の機会を増やす(と同時に画面ベースのメディアとデジタルコミュニケーションから距離を取る)ことは,ごく短期間であっても子どもたちの非言語的情動手がかりの理解を増進させることが示された.

              おいしいものは誰かと一緒に食べるとよりおいしい.まずいものはよりまずい.

              2015/03/26 22:06 に Asako Miura が投稿

              Boothby, E. J., Clark, M. S., & Bargh, J. A. (2014). Shared experiences are amplified. Psychological Science, 0956797614551162.

              2つの研究で,他者と経験を共有することが,そこにコミュニケーションがなくても,またうれしい経験でも不幸な経験でも,その経験を増幅させることが示された.研究1では,参加者はおいしいチョコレートを味見した.彼らがチョコレートの味をより「好き」「おいしい」と判断したのは,他者が共存しているが別の行為をしているときよりも,彼らが同時に自分と同じ行為をしている時だった.これは我々の仮説に一致する方向の結果だったが,楽しい経験の共有に限られる可能性もあるので第2研究を実施した.不快なレベルで苦いチョコレートを味見したとき,彼らがチョコレートの味をより「好きじゃない」と判断したのは,他者が共存しているが別の行為をしているときよりも,彼らが同時に自分と同じ行為をしている時だった.これらの結果より,増幅仮説が支持された.

              ネット依存者はネットに接触すると気分が悪くなるのにそれを回復させるためにまたネットに接触する.これを悪循環と言わずしてなんぞ.

              2015/03/26 22:04 に Asako Miura が投稿

              Romano, M., Osborne, L. A., Truzoli, R., & Reed, P. (2013). Differential psychological impact of internet exposure on internet addicts. PloS one, 8(2), e55162.

              本研究では,インターネット接触が気分と心理的状態に及ぼす「直後の」効果について,インターネット依存者と利用程度の低い者とで比較検討した.参加者は心理テストバッテリーを与えられ,インターネット依存の程度,気分,不安,抑うつ,分裂傾向,自閉傾向のレベルを測定された.その後彼らは15分間インターネットに接触し,再度気分と現在の不安レベルが測定された.インターネット依存は長期的抑うつ,衝動的非同調傾向,自閉傾向と関連していた.インターネットを利用する程度の高い人々はそうでない人と比べるとインターネット利用後に気分が低下していた.インターネット依存者の気分におよぼすインターネット接触直後のネガティブな効果は,そのよくない気分をなんとかしようとするかれらをさらなるインターネット利用に向かわせ,結果的に依存状況を作り出しているのかもしれない.

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