洋の東西や信仰を問わず,仏教的概念がプライミングされると向社会性は高く,偏見は低くなる

2016/04/02 21:51 に Asako Miura が投稿
Clobert, M., Saroglou, V., & Hwang, K. K. (2015). Buddhist concepts as implicitly reducing prejudice and increasing prosociality. Personality and Social Psychology Bulletin, 41(4), 513-525.

仏教は本当に耐性を促進するのだろうか?多文化/多宗教データに基づいて「仏教的概念は,おそらくキリスト教的概念とは異なり,向社会性だけではなく耐性も活性化させる」という仮説を立てた.仏教的概念を閾下プライミングすると,ニュートラル/キリスト教概念の場合と比較して,万人救済説(? universalism)に価値を置く西洋の仏教徒において,倫理的・イデオロギー的・道徳的外集団に対する排他的偏見が低減した(実験1, N=116).また,キリスト教的バックグラウンドを持つ西洋人においても自発的な向社会性を増やし,また低 権威主義/高 万人救済主義の人(実験2, N = 128)や仏教徒/道教徒の台湾人(実験3, N = 122)において潜在的な宗教的,倫理的偏見を低減させた.共感の増大と矛盾への耐性がこうした効果のいくつかを仲介していた.宗教は(内集団への)向社会性と外集団への偏見を促進するという一般的な考えは,一神教的な文脈においてなされた研究に基づいていて,多文化的な視点を欠いている.少なくとも社会認知的/道徳的に開放性の高い人において,仏教的概念は向社会性と外集団への耐性をより活性化させるのだ.
Comments