震災報道は世間で言われるほど感情が勝っていたわけではなく,そんな「気がする」だけだった

2016/04/02 21:52 に Asako Miura が投稿
Uchida Y, Kanagawa C, Takenishi A, Harada A, Okawa K, Yabuno H (2015) How Did the Media Report on the Great East Japan Earthquake? Objectivity and Emotionality Seeking in Japanese Media Coverage. PLoS ONE 10(5): e0125966. doi:10.1371/journal.pone.0125966

東日本大震災は重大なメディア関与を要する悲劇的な出来事だった.メディアは事実情報を伝達する際に重要な役割を果たしたが,ジャーナリストたちは彼らの報道の客観性を保証するのは難しい,という感想を述べた.メディア報道は視聴者の共有する社会文化的な現実を構成するので,ニュース報道のコンテンツの客観性と情緒性を検証する必要がある.研究1では,震災後6ヶ月間のテレビと新聞の報道を探索的に内容分析し,ニュースメディアは出来事に関して一般的に中立かつ客観的な事実情報を報告しており,コメントのみに情緒性が示されていることを明らかにした.メディア報道がどのように構成されまたジャーナリストによってどのように評価されているかを検証するために,研究2では,マスメディアで働くジャーナリスト115名にオンライン調査を行った.ジャーナリストたちの方向性は研究1で得られた知見と同じく,情緒的というより客観的であるという傾向が示された.しかしながら,報道された番組や記事に対する彼らの客観性評価は低く,特に空前絶後の事故だった原発事故に関する報道についてその傾向が強かった.ジャーナリストたちが取材中に経験したネガティブ感情が自らの報道の客観性評価にネガティブな影響を与えていた.
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