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『心理学評論』第59巻1号・特集「心理学の再現可能性」掲載予定論文(著者最終稿)早期公開のご案内

2016/05/09 5:38 に Asako Miura が投稿   [ 2016/05/10 15:28 に更新しました ]
『心理学評論』第59巻1号・特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
掲載予定論文(著者最終稿)早期公開のご案内

2015年,Scienceに衝撃的な論文が掲載されました(Open Science Collaboration, 2015)。
その内容は,過去の心理学の研究論文について追試を行った結果,結果が統計的に再現されたものは追試実験全体のうちの40%に満たないというものでした。
また,2015年の年頭に出たBasic and Applied Social Psychology誌はそのエディトリアル記事で,今後一切統計的検定に関する記載を行わないと「高らかに」宣言して,心理学のみならず幅広い研究者コミュニティの耳目を集めました(Trafimow, & Marks, 2015)。

そして近年,心理学の領域においても,STAP細胞問題に近いようなデータの捏造・改ざんによる研究不正を犯す研究者すら出てきました。
このこと自体,心理学界においてゆゆしき問題です。
しかしかれらの行為を軽蔑する研究者たちも,意識するしないにかかわらず,さまざまな問題のある研究実践 (QRPs)に手を染めてはいないでしょうか。

これらの問題に対する関心は今に始まったことではありませんが,ここ数年、研究者の側もこれらに対して自覚的になってきたというのも事実です。
そこで,再現可能性,統計の問題,QRPsから研究不正まで,という相互に密接に関連しあうこれらの問題に対する現状の認識と展望について,忌憚のない議論を進めるべく本特集号を企画しました。
これらの議論を通して,心理学が今よりさらに一歩前に前進するこ とを強く期待しています。

担当編集委員
友永雅己(京都大学霊長類研究所)・三浦麻子(関西学院大学文学部)・針生悦子(東京大学教育学部)

巻頭言:特集号に寄せて

●原著論文
池田功毅・平石界 心理学における再現可能性危機:問題の構造、現状と解決策
山田祐樹  認知心理学における再現可能性の認知心理学
森口佑介  発達科学が発達科学であるために:発達研究における再現性と頑健性
鮫島和行  システム神経科学における再現可能性
澤幸祐・栗原彬  動物心理学における再現可能性の問題
大久保街亜  帰無仮説検定と再現可能性
小塩真司  心理尺度構成における再検査信頼性係数の評価―「心理学研究」に掲載された文献のメタ分析から―
藤島喜嗣・樋口匡貴  社会心理学における“p-hacking”の実践例
渡邊芳之  心理学のデータと再現可能性

●コメント論文
小島康生 人間の観察研究における再現可能性の問題
松田一希 フィールド研究の再現性とは何か?
平井啓 心理学研究におけるリサーチデザインの理想
三中信宏 統計学の現場は一枚岩ではない
武田美亜 再現可能性の問題から始める心理学研究の「バックヤードツアー」
東島仁  研究公正から見た再現可能性問題
佐倉統  科学的方法の多元性を擁護する

このサイトでは,標記『心理学評論』特集号の公刊(2016年8月予定)に先だって,受理済の掲載予定論文の最終稿を,著者の了解のもとで,担当編集委員の責任において,私的に公開しています。
ダウンロードや印刷は可能ですが,内容の編集やテキスト引用はできません。
本誌刊行後はこのサイトでのPDF提供を終了します。本特集号論文のPDFはオープンアクセスですので,是非改めてそちらをダウンロードして下さい。
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